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2008/08/15発行 ジャピオン掲載記事
   
日本人経営のギャラリー探訪

Destination Art Spaceにて、9月5日まで開催中の古姓瑶子さんの作品展「exhale」

 

日本人の経営するアートギャラリーが、ニューヨークで増えている。良い作品を多くの人に見てもらいたい、というのは共通する思いだが、ギャラリーとしてのミッションや展示内容は実にさまざま。今号では、老舗から新しいギャラリーまで、代表の方々にギャラリーとしてのミッションを中心に聞いた。

 

Ouchi Gallery
170 Tillary St., Suite 507
Brooklyn, NY 11201
www.zankandmars.com
Wed-Sun 12-6pm(要予約)
※9月21日まで夏季休業中。

若手の日本人アーティストの作品を、1週間という短い期間で展示することで、「来る度に新しい作品を見られる」。展示内容は多岐にわたるが、絵画が比較的多い。作品を展示したいアーティストは、ウエブサイトにある応募要項を参照のこと。「『え!?』と驚きを与えるような作品の応募を待っています」とアリサさん。

 
 

ギャラリーファウンダー
アリサさん

アート好きな母親のおかげで、物心ついた頃から生活の中にアートがあり、「毎週美術館に連れて行かれました」。現在の非営利活動の原点はガールスカウト。「手旗信号やロープの使い方を学ぶのは嫌でしたが(笑)、ボランティア精神が育まれましたね」。ジャズシンガーでもあるアリサさんは、「ジャズの本場」であるニューヨークに10年前に移住。今年3月にヲウチギャラリーをオープンした。

 
アートを通して子供達に夢を与える
ヲウチギャラリー
 

子供達に夢を

「世界の子供達に、アートを通して夢を伝えたい」と熱く語る、「ヲウチギャラリー」ファウンダー、アリサさん。そんなアリサさんの価値観を象徴する活動の一つが、ナイジェリアの小さな村で、折り紙を教えることだ。電気もなく、教育も行き届いていないその村で、アーティストとして何ができるか考えた末の結論だった。一度教えただけで、夢中になって折り方を覚える子供達を見て、「何かを学びたいという意識」を強く感じたという。

「数十年経って、村に折り紙は残っていなくても、『昔、日本人が村に来て、折り紙を教えてくれたな』と、誰かが思い出してくれたら嬉しい」。

今年3月に開設した同ギャラリーは、絵を展示するだけでなく、同じ価値観を持つ仲間探しの場でもある。

アットホームな空間

ヲウチギャラリーのコンセプトは、フィラデルフィア郊外にあるバーンズ財団から、大きく影響を受けている。財団創設者のアルバート・バーンズ博士は、20世紀初めに医薬品開発で得た富でアートコレクションを築いた。「モネ、ルノワールやゴッホの作品が、偉そうに飾られているわけではなく、無名のアーティストの作品と並んでいる」という展示は、厳かな美術館とは異なり、「故郷に帰った気分」で、落ち着いて鑑賞できるという。これがまさに、アリサさんの理想とするところだ。

「アートは生活の一部」と言うアリサさんは、訪れる人がまるで、「ヲウチ」に帰ってきたかのように、くつろいで絵を楽しめる空間造りを心掛けている。ソファが置かれ、キッチンスペースまである同ギャラリーでは、広いスタジオアパートにいるかのような気分で、数々の情熱溢れる若手アーティスト達の作品に出合うことができる。

 

折り紙はもちろん、日本人を見るのも初めて。鶴を作って満面を笑みを浮かべる子供達。

 
 
 
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