一般的には、父親と子供の関係や、子育てにおける父親の役割とはどんなものなのだろう?ペアレンティング・インストラクターの皆川久仁子さんに聞いた。
0~1歳の乳児期には、母と子の関係は極めて密で、父親の存在はいわばその外にあるもの。ここでの父親の役割とは、母親を支え、時には家事を助けるなどして、母親がゆとりを持って子供に接することができるよう状況を整えることです。3歳頃になって子供が精神的に母親から独立し始めると、父・子・母が等距離にある、正三角形の関係ができることが理想です。父親が子供に構わないなどの理由でこれが成立しないと、子供は人間関係をうまく作れなくなり、不登校などにつながる可能性があります。
6歳を過ぎ児童期に入ると、特に男の子にとって、父親の存在は大きいです。息子がサッカーやプラモデル作りなどを一緒にやろうと父親にねだるのは、男同士としての親近感を味わい、父親の力や強さを自分のものにして、男性としての自分を形成していく大切な過程なのです。ですから父親は、息子にとって理想の男性になるという自覚を持って、成長を助けてあげて欲しいですね。
子供が10歳以上になってから父親に求められるのは、「母親から子供を引き離す・間を切る」という仕事。母親が過剰に子供の世話にのめりこむと、子供は息がつまり、自立できません。また思春期になると、子供は父親を嫌い敬遠するようになりますが、これはその前に必ずある「構ってほしい」というサインを父親が見逃してしまい、子供が失望した結果なのです。この時期は積極的に、自分から子供に話しかける努力をしてください。また子供の思春期は、父親も男盛りで、仕事でも勢いに乗っている年代に当たります。ここで生き生きと働く姿を見せておくことが、子供が就職して社会に出て行く時の原動力になるのです。
子育て講習会では、こういった父親の役割の大きさを説明し、父親が子育てに参加するようにと呼びかけています。アメリカでは、保護者面談や子供の音楽会などが、働く父親でも参加しやすい平日の夜にも設けられ、みなさん率先して参加しています。子育てにはその国の社会が影響しますから、日本から赴任してきたばかりのお父さんも、日本でよくあるように「子供のことは妻に任せている」と言っていては困ったことになります。そんなお父さんは、まず週末のサッカー教室や補習校の送り迎えをすることから始めてみましょう。子供と会話するチャンスです。
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【お話を聞いた人】
皆川久仁子さん
ファミリーカウンセラー。「親業(Parent Effectiveness Training)」をはじめ、複数のペアレンティング・プログラムの公認インストラクター資格を持つ。スイスの帰国子女として育ち、パリで出産、アメリカで子育てをした経験を生かし、マンハッタン、ライ、ニュージャージーなどにて日本人を対象に子育て講習会を開いている。 www.njjp.net |