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2008/03/14発行 ジャピオン掲載記事
   
日米の陶芸に魅せられて
 

蘆田啓子(あしだ・けいこ)さん


益子の窯元で陶芸修行した後、子育てで一時中断。1985年の渡米を機に米国式陶芸を始めた。自然をモチーフにした作品はHammond Museumに所蔵されるなど、陶芸家として高く評価されている。今年5月には東京での展覧会も開催予定。

 
 
Japanese Traditional Techniquesのクラスにはアメリカ人、日本人が参加する。この日のクラスでは、蘆田先生が手びねりで器の底部分の接続技法を披露した。

陶芸家・蘆田啓子さんに聞く

 

陶芸の魅力と日米の違い

 

日本、アメリカで親しまれている陶芸。しかし、同じ陶芸と言っても日米では違いがあるという。日米両国で陶芸を習得し、双方の魅力に魅了されたという陶芸家、蘆田啓子さんにその違いを中心に聞いた。


「陶芸は年齢に関係なく誰でも始められて、しかも奥が深い。これで完成!ということがないので、面白いですね」と蘆田さん。


陶芸の魅力は土選び、形作り、うわぐすり、焼きと工程がいくつもあり、それぞれが奥深いことにあると言う。形が良くても、うわぐすりの色で失敗することもあり、逆に形が悪くても色で成功することも起りうる。うわぐすりのかけ方で、どんな色になるかの予想はできても、焼く温度や湿度により、釜から出した後は思いもかけない色や手触り、質感に変化していることもあるのだ。


そんな奥深い陶芸の日米の違いは、「細かい点では土の練り方、ろくろの回転方向、粘土の盛り方、道具、焼く温度、うわぐすりの種類などがあります」と蘆田さんは説明。だが、大きな違いは陶芸に対する考え方ではないかとも。


「日本では、陶器は生活の一部で、使いやすい食器としての機能が大切です。でも、アメリカでは使いやすさよりも装飾品として、どちらかと言うと、使えなくても面白いものがいいという考えです。だから彫刻やオブジェのような陶芸が喜ばれるんですよね」


蘆田さん自身もアメリカで陶芸を続けたことで、独自の世界を熟成することができたという。「感じたものを形に変えていく楽しさがあります。私は冬枯れの景色が好きで、どうやったら陶芸でそれを表現できるか、作品にしていくプロセスが好きです」。


このように日米では、作る目的が違う陶芸。しかし、蘆田さんはその癒し効果は同じだと言う。「土に向き合っていると無心になれます。うまく作ろうとするのではなく、自分の作りたいものができればいいんです。ストレスがあっても粘土を触っていると、すっきりして嫌なことも忘れてしまいますよ」。


機能重視か芸術性重視か、自分に合った陶芸を見つけてみよう。

 
 
冬枯れをイメージした作品群「Stillness in Movement」。生活品としての花器を超え、アートとして蘆田さん独自の世界が広がる。
 
■Clay Art Center
40 Beech St.
Port Chester, NY 10573
TEL: 914-937-2047
 
 
※記載されている情報は変更されている場合があります。
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