日本、アメリカで親しまれている陶芸。しかし、同じ陶芸と言っても日米では違いがあるという。日米両国で陶芸を習得し、双方の魅力に魅了されたという陶芸家、蘆田啓子さんにその違いを中心に聞いた。
「陶芸は年齢に関係なく誰でも始められて、しかも奥が深い。これで完成!ということがないので、面白いですね」と蘆田さん。
陶芸の魅力は土選び、形作り、うわぐすり、焼きと工程がいくつもあり、それぞれが奥深いことにあると言う。形が良くても、うわぐすりの色で失敗することもあり、逆に形が悪くても色で成功することも起りうる。うわぐすりのかけ方で、どんな色になるかの予想はできても、焼く温度や湿度により、釜から出した後は思いもかけない色や手触り、質感に変化していることもあるのだ。
そんな奥深い陶芸の日米の違いは、「細かい点では土の練り方、ろくろの回転方向、粘土の盛り方、道具、焼く温度、うわぐすりの種類などがあります」と蘆田さんは説明。だが、大きな違いは陶芸に対する考え方ではないかとも。
「日本では、陶器は生活の一部で、使いやすい食器としての機能が大切です。でも、アメリカでは使いやすさよりも装飾品として、どちらかと言うと、使えなくても面白いものがいいという考えです。だから彫刻やオブジェのような陶芸が喜ばれるんですよね」
蘆田さん自身もアメリカで陶芸を続けたことで、独自の世界を熟成することができたという。「感じたものを形に変えていく楽しさがあります。私は冬枯れの景色が好きで、どうやったら陶芸でそれを表現できるか、作品にしていくプロセスが好きです」。
このように日米では、作る目的が違う陶芸。しかし、蘆田さんはその癒し効果は同じだと言う。「土に向き合っていると無心になれます。うまく作ろうとするのではなく、自分の作りたいものができればいいんです。ストレスがあっても粘土を触っていると、すっきりして嫌なことも忘れてしまいますよ」。
機能重視か芸術性重視か、自分に合った陶芸を見つけてみよう。 |