帰国の内示はあったが、いったい何から手をつけていいのか分からない…とは言え、引越最盛期に迷っている暇はない。そこで、引越のプロ4人に「引越成功」の道のりについて詳しく聞いた。
見積りのタイミングは?
アメリカの気になる引越シーズンは、今現在から4月初旬、そして5月中旬から8月中旬。米国日本通運の後藤俊明さんは、「たとえシーズンでなくても月末は通常込みます。その上、日本もちょうど3月が一番の引越ピーク時ですから、見積りは少しでも早い方がいいですね。無料ですし、日本に送るお荷物の大筋さえ分かれば見積りは可能ですから」と語る。
見積りのタイミングは、「理想を言えばご帰国の3カ月前、実際には内示のタイミングで2カ月前が普通でしょうか。下見・見積りの際に、お荷物をもれなく見せていただくこと、ご予定やご希望をきちんと伝えていただくことが、引越成功のカギです」と米国ヤマト運輸の藤井豊文さん。見積り時に荷物の取捨選択について、しっかりプロの助言を受けておきたい。
荷物の取捨選択のポイントは?
まずは取捨選択のタイムライン。ニューウェーブUSAの小幡公裕さんによると、「1カ月前までには、〝売る〟〝廃棄〟〝譲渡〟の最終決断をしておいた方がいいですね」。余計な物が少なければ、引越当日の混乱や間違いも起こりにくい。「置いていった方がいい物は、仕分けをしていて悩む物です」という明快な助言は、アート引越センターの加藤和彦さんだ。
具体的には、「特にソファやベッドは新居に入るかを考えてからの方がいいですね。シーツのサイズも日米で微妙に違いますし、ソファが日本の新居のドアを通らずに泣く泣く捨てる、大型家具があるばかりに新居選びが制限される、ということもあり得ます。新居での生活を具体的にイメージすることが選別のキーです」と日通の後藤さん。
一方、子供の荷物の取捨選択もなかなか悩ましい問題。ヤマト運輸の藤井さんは、「リミットに応じて箱を渡して、自分で持って帰るものを決めさせると良いですよ。お子さんにとっても良い訓練になりますから。また、意外にかさばる学校の作品などは、撮影してアルバムにしておけば、仮に処分した場合でも後で楽しめます」。
日本への荷物送付のコツは?
どの荷物をいつ送るか、というのも帰国引越では重要(具体的な時期や内容は上のチャートを参照)。基本的に引越のプロが口をそろえるのは、(1)大型家具や季節物等、帰国までに必要としない物や帰国後すぐに配りたいみやげ物等を船便第1便で送り、(2)帰国ぎりぎりまで使用したいが日本ではすぐに必要のない物(フトンなど)は船便第2便、(3)ぎりぎりまで使いたいが日本でもすぐに必要な物(学用品、衣類、台所用品等)を航空便で送るということ。
ニューウェーブの小幡さんは、「衣類は市販の透明な収納ケース等に入れて運ぶと、日本での収納も楽ですし、中身が分かりやすくて便利ですよ」とアドバイス。ヤマト運輸の藤井さんも、「帰国直前の第2便の頃は何かと忙しいものですから、第1便でできる限り多く送ると気持ちも楽になりますよ。特に収納系の家具が先に届いていると、日本での荷物整理が格段に楽になります」。
梱包・搬出時の注意点は?
帰国引越の場合、梱包、搬出は「プロに完全おまかせ」に尽きる。とは言え、その前の簡単な仕分けはしておきたいもの。コツはあるのだろうか? 日通の後藤さんによると、「日本での新居が決まっている場合は、各部屋に行く物ごとに荷物を梱包するのが理想的ですが、実際は新居が決まらない状態での出荷になる場合が大半だと思いますので、(1)家族のメンバーごと(2)搬出する部屋ごと(3)品目(台所用品等)ごと、を目安にするといいと思います」。
ヤマト運輸の藤井さんは、「新居にダンボール箱が搬入された時を想像して、すぐに必要になりそうな物、大切な物等を優先的に仕分け、梱包しておくと、たくさんの箱の中からすぐに必要な物を探し出すことができるため、新生活の立ち上げがスムーズになりますよ」とアドバイス。
日本での準備は万端?
帰国直前、やり残したことはないだろうか? 廃棄物の処理や譲渡家具の輸送、電話、電気、ガス等公共サービスの解約・停止手続き、郵送物の日本への転送サービス等、引越会社各社のラストミニッツサービスも様々。ぜひ必要に応じて問い合わせてみよう。
また、各社の日本での新生活用サービスも要チェックだ。アート引越センターでは、希望すれば家具の下に耐震用マット提供サービスや、引越後1年の間、1回に限り部屋の模様替えサービスがある。ヤマト運輸でも、引越荷物搬入日だけでなく、後日段ボール等廃材回収に来てくれる。また、日通の「日通アシスタントサービス」では、カギの紛失やトイレのつまりから、子供の急な発熱、弁護士を探したいといった、あらゆる新生活の問題をサポート。
こういった各社の帰国直前・帰国後サービスにも注目して、帰国引越をスムーズでスマートに締めくくろう。 |