年間利用者延べ2億4000万人、運賃は年間20億ドルに上るというイエローキャブ。ニューヨーク市タクシー・リムジン委員会(TLC)のアラン・フロンバーグさんによると、初のメーターつきキャブがニューヨークを走ったのは、1907年10月1日。プラザ・ホテルのグランドオープニング・セレモニーに出席する、セレブリティーを乗せたキャブが最初だった。
「黄色」のきっかけを作ったのは、レンタカー会社大手「ハーツ」の創業者であるジョン・ハーツ。彼はレンタカー業を始める前の1915年、シカゴでタクシー会社を興していたが、「遠距離で最も目立つのは、やや赤みのある黄色である」というシカゴ大学の研究結果を取り入れ、車を黄色にペイントしたところ、全米各地にこれが広がった。ニューヨークでは、60年代後半にタクシーサービスが急増した時期、当局が見分けられるようにメダリオン(市の営業許可)を受けたキャブは黄色、カーサービスの車はそれ以外の色と法律で定められたのだ。
現在発行されているメダリオンは1万3150台分。20年代後半は1万8000台ものキャブが走っていたが、TLCが新たにメダリオンを発行する時期と数を調節して、全体の数を抑えている。実際にキャブの運営を行っているのは、市内に複数ある「フリート」と呼ばれるマネージメント組織。各フリートがメダリオンと車を所有、イエローキャブの運転免許を持った各ドライバーがリース料を払ってそれを借り、運転しているのだ。個人が副業的に少数のメダリオンだけをドライバーに貸し出している場合や、ドライバー自身が個人でメダリオンと車を所有している場合もある。
ニューヨーク市のキャブ誕生100周年となる昨年には、都市計画グループ「デザイン・トラスト・フォー・パブリック・スペース」が「タクシー07」プロジェクトを実施。TLCとの協力でキャブの現状を本にまとめた他、ニューヨーク・インターナショナル・オートショーでは、環境に優しく、身障者にも利用しやすく、そしてグッドデザインの「未来のキャブ」を提案・展示した。ハイブリッド・キャブ導入、クレジットカード対応、GPS搭載などに引き続き、これからもイエローキャブは進化し続けていく。
〈参考〉『Taxi 07 Roads Forward』(Design Trust for Public Space, New York City Taxi & Limousine Comission)
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