ストレブ
ウイリアムズバーグの倉庫街にあるSTREBと書かれた建物の重い扉を押し開けると、カラフルなモンドリアン風の内装が目に飛び込んできた。ここは、パフォーマンス集団「ストレブ」の練習場/劇場/教室、通称S.L.A.M.。1979年にパフォーマーのエリザベス・ストレブさんが創立したカンパニーが、2003年から地元にも解放しているスペースだ。スタッフがいる限り、いつでも誰でも入ることができる。ストレブの練習を見学したり、誕生会を開いたり、各種クラスに参加したり…。
エリザベスさんが「ポップアクション」と呼ぶ動き(振り付け)を学べるクラスの主旨は、ずばり「とび方と落ち方を学ぶ」――今回のテーマに合っているような気はするものの、まずはクラスを見学してみることにした。この日集まったのは10人。初心者も経験者も一緒に学ぶ形式だ。先生は、同カンパニーの主要メンバーの一人でもあるエイミーさん。ウオームアップ後、いよいよ本格的な動きに入ってくると、辺りに“バタン!バタン!„という音が響き渡るようになった。例えば、片手と片足だけで体を横向きのまま支えたヨガのようなポーズから、そのままうつ伏せにマット上に倒れこむためだ。ごく日常的なポーズから倒れこむだけなのだが、「とんでいるようで気持ちいい」と参加者達。
日常生活では自分の身の丈程度の高さからでも落ちる体験というのは、確かにあまりない。子供の頃は、つまずいて転ぶということも日常茶飯事だったが、大人になって、そういう感覚から遠のいていたことに気が付く。クラスの間中動き回っているので、良い有酸素系運動になる。が、それだけでなくみんなが口をそろえて言うのは、「(とんで落ちる)恐怖を克服するのが楽しい」。見事にとんだ後の、抗いがたい重力に挑んだささやかな達成感と制圧感が心地良いのだ。
ちなみに、そんな程度じゃとんだ気にならないという人もご心配なく。クラスのクライマックスでは、身の丈をはるかに超えた高さにクレーンで吊られた足場から、横たわったままとんで落ちるのだから。アナタもとんで、恐怖心と重力から一瞬、自由になってみる?
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