ニュージャージーのレストラン&バー、ラウンジ禅で、ミクソロジストとして腕をふるう山本幻(げん)さん。バーテンダー歴9年。2006年には、カクテル・コンペティション「マリー・ブリザード」東海岸大会で第2位に輝いた実力の持ち主でもある。そんな山本さんに、ミクソロジーについて聞いてみた。
「日本とアメリカでは少し意味合いが違います。例えば日本では、果物や野菜、ハーブなど新鮮な素材で作るカクテルのことを指します。六本木のある有名バーのオーナーがとことん新鮮なフルーツにこだわったカクテルを広めてブレイクし、ついにはフルーツ屋までオープンして話題になるなど、ここ数年、ミクソロジーという言葉がもてはやされるようになってきました。一方アメリカでは、使う素材うんぬんより、〝ミキシングの技術〟のすごい人が作るカクテルのことを、そう呼ぶ傾向にあるんですよ」と山本さん。「混ぜる技術の高さ」とは、「素材の性質に応じてベストなリカーを選んでカクテルを作ること」とのこと。
「例えば、リカーや材料の特徴をちゃんと理解していないとできません。ライム一つとっても、季節によって果汁の出方や味が変わりますからね。カクテルのイメージに大きく影響するグラス選びも大切ですし、氷の強度や形、カクテルの温度なども理解していないと、うまくできないものなんですよ」
なるほど、スポーツバーのような大衆的なバーにいるバーテンダーは、残念ながらミクソロジストとは呼べないようだ。想像以上に奥深いカクテルの世界。「ミクソロジストとは、こだわりの職人みたいなものです」と、山本さんは付け加えた。
そんな彼に、ミクソロジストとして妥協できないことは何かと問うと、少し考えて「調和ですね」という答えが返ってきた。
「リカーと他の材料との相乗効果を考え、それぞれの良さをうまく調和させ、お客様に気に入ってもらえた時が一番うれしいですね。カクテルだけに限らず、例えばお客様をお迎えする空間をお酒や音楽、雰囲気などでうまく調和させるということも、ミクソロジストの重要な要素だと思います」
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