我謝さんの毎日は、正に締め切りの連続だ。月曜から金曜までは、日本のCSチャンネルで放送される番組のために、ニューヨークの株式市場の動きを取材し、原稿を執筆、カメラの前でそれを読み、映像を編集して2〜3分の枠に収めるところまでをこなす。株式市場の取引終了は午後4時、映像製作は5時20分頃に終了していなければならないので、締め切り直前は文字通り分刻みで動く状態だ。この他週末の番組用にも、全米各地を訪れて取材する。取材したものを英語でまとめ、世界中に配信することもある。
そんな我謝さんのスローダウン術は、「お茶」。祖母も母も茶道の先生で、我謝さんも宗徧流の許状を持ち、週末には月2回、自宅などで基本を教えている。毎日が締め切りという職業柄、ついいつも仕事のことが頭にあるが、点前の間は意識的に「お茶のことだけしか考えない」。そうすると気持ちが整理されて、落ち着いてくるのだ。「茶道の動きは、お客さんにおいしいお茶を出すという目的のもと、何百年もかけて考えられたものです。点前では決められたその動きを一つひとつ追っていくので、ただ瞑想をするよりも、私にとってはかえって集中しやすいんです」と我謝さん。正式にお茶を点てる時間のない日でも、夕食時に台所でできる簡単な方法で抹茶を作って飲み、気分をリセットするそうだ。 |