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2007/11/23発行 ジャピオン掲載記事
ニューヨークでシニアライフ
 
誰もが迎えるシニア(高齢者)としての生活。「まだまだずっと先」と思っていたら、十分な準備ができないまま高齢期に突入してしまうことも。今回はニューヨークの日本人シニアの生活をレポートする他、快適に過ごすため、40~50代のうちから準備しておくべきことについてまとめた。
 
 
 
敬老会の様子。外出着を着て出かけ、友人と会話をすることは、気力の維持や衰えの防止にもつながる。
 
  日系シニアの交流の場
日系人会・感謝祭敬老会
 

今回はまず、ニューヨークの日本人シニアが交流するイベントで、最も大規模で最も長く続いている、日系人会主催の「敬老会」を訪ねた。

毎月2回のペースで、既に20年以上行われているこの会。通常参加者は70~80人程度だが、今回は特別な「感謝祭敬老会」とあって93人が出席。まずは6人がけのテーブルに自由に分かれて座り、加藤孝良シェフによるターキー料理を味わいつつ、バイオリンやピアノの演奏などを楽しんだ。会ではこういった余興の他に、健康関係の講演も毎回行われる。今回は理学療法士が介護予防のための体操を紹介、医師が「老衰と気力」について語り、アロマセラピストによる肩こり解消マッサージ法のレクチャーでは、参加者が互いに肩をたたきあう場面も見られた。

日常はほとんど自宅で過ごし、敬老会のためだけに外出するという常連の90代男性から、趣味のサークルやボランティア活動で日々忙しい生活を送っているという60代の女性まで、参加者の年齢、バックグラウンド、生活環境は様々。「日本人・日系人の高齢者が、これだけたくさん集まる機会はなかなかありません。ここに来れば知り合いに会って、日本語で思う存分話せる。皆さんそれを楽しみにいらしているようです」と、日系人会副会長の大島聖子さんは語る。2時間ほどですべてのプログラムが終了した後も、会場には参加者が思い思いに小さな輪を作り、ひとときのおしゃべりに興じていた。

日系人会の連絡先

 

約90人のシニアでにぎわった感謝祭敬老会。なかでも羽根のついた帽子から優雅なスカートまですべて手作りのファッションに身を包み、ひときわ輝きを放っていた76歳の服飾デザイナー、平木みやのさんに、活動的で楽しいシニアライフの秘訣を聞いてみた。

「生き馬の目を抜く」ニューヨークのファッション界で、40年以上活躍してきた平木さん。日本で服飾系の学校を卒業後、海外渡航がまだ限られた人のものだった1963年、30代前半でニューヨークへ。パーソンズ・ニュースクール・フォー・デザインでファッションデザインを学んだ。来米直後は英語で苦労したものの、努力と実力が評価され、サクス・フィフス・アベニューのインハウス・デザイナー、ソフィー・ギンベルのアシスタントから始まって、ピエール・カルダン、バレンチノ、オスカー・デラレンタなど数々のトップブランドで働いてきた。

67歳で退職した後は、何とファッション工科大学(FIT)へ復学。元々バッグなど小物を作ることが好きで、75年に同校で製帽のクラスを受けていたが、更に4年間帽子の勉強をしている。また趣味で、今も書道を習っているそうだ。「学業は一生続けたいもの。70歳を過ぎても活動的に楽しく過ごせるのは、いつも何かを学んでいるからだと思うんですよ」と平木さん。

ちなみに現在は「5000年の頭飾史」をテーマとして、古代エジプトから2000年までの頭を飾る装飾品を、ミニチュアサイズで再現するというプロジェクトを進めているそうだ。「古代から始めて、今は18世紀まで作りました。完成にはあと1年半くらいかかるでしょうか…500個くらいできたら、FITで展覧会をしようと思っています」と、これからの計画を生き生きと語る。

ふるさと・日本を想う気持ちはもちろんあるものの、「今後もできる限りここに住みたい」と、ニューヨークへの愛着は強い。「自分の目と心を開いていれば、自由に何でもできる街」で、平木さんは今も、新しいことを「学び」、そしてクリエイトし続けている。

 
※記載されている情報は変更されている場合があります。
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