約90人のシニアでにぎわった感謝祭敬老会。なかでも羽根のついた帽子から優雅なスカートまですべて手作りのファッションに身を包み、ひときわ輝きを放っていた76歳の服飾デザイナー、平木みやのさんに、活動的で楽しいシニアライフの秘訣を聞いてみた。
「生き馬の目を抜く」ニューヨークのファッション界で、40年以上活躍してきた平木さん。日本で服飾系の学校を卒業後、海外渡航がまだ限られた人のものだった1963年、30代前半でニューヨークへ。パーソンズ・ニュースクール・フォー・デザインでファッションデザインを学んだ。来米直後は英語で苦労したものの、努力と実力が評価され、サクス・フィフス・アベニューのインハウス・デザイナー、ソフィー・ギンベルのアシスタントから始まって、ピエール・カルダン、バレンチノ、オスカー・デラレンタなど数々のトップブランドで働いてきた。
67歳で退職した後は、何とファッション工科大学(FIT)へ復学。元々バッグなど小物を作ることが好きで、75年に同校で製帽のクラスを受けていたが、更に4年間帽子の勉強をしている。また趣味で、今も書道を習っているそうだ。「学業は一生続けたいもの。70歳を過ぎても活動的に楽しく過ごせるのは、いつも何かを学んでいるからだと思うんですよ」と平木さん。
ちなみに現在は「5000年の頭飾史」をテーマとして、古代エジプトから2000年までの頭を飾る装飾品を、ミニチュアサイズで再現するというプロジェクトを進めているそうだ。「古代から始めて、今は18世紀まで作りました。完成にはあと1年半くらいかかるでしょうか…500個くらいできたら、FITで展覧会をしようと思っています」と、これからの計画を生き生きと語る。
ふるさと・日本を想う気持ちはもちろんあるものの、「今後もできる限りここに住みたい」と、ニューヨークへの愛着は強い。「自分の目と心を開いていれば、自由に何でもできる街」で、平木さんは今も、新しいことを「学び」、そしてクリエイトし続けている。