

林田さんが手にしているのは、自作の絵を表紙に使った和綴じのアルバム。台紙に厚紙を使い、2重綴じなのでしっかりした仕上がり。「アメリカ人のお客様から、結婚式や誕生日などの記念として製作して欲しいという注文がよくあります」。 |
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和綴じをアメリカ人に伝授
NYで日本の伝統を見直す |
ブックバインダー・アーティスト
林田由佳里さん |
日本の伝統製本、和綴じクラスがある「ザ・センター・オブ・ブックアーツ」。ここで講師として和綴じを教えて6年になる林田由佳里さんを訪問した。林田さんが教えている和綴じのクラスでは、意外なことに日本人よりもアメリカ人生徒の方が多い。「アートに興味のあるニューヨーカーの間では、和綴じクラスはとても人気があるんですよ」と、林田さん。
日本にいた時は、ブックアートとは無縁の生活だったという彼女がニューヨークでブックアートの世界を知ったのは、かれこれ10年前のこと。どちらかというと新しいことに飛びつくタイプではなかったが、その魅力と出会ったのはふとしたことから。勤めの合間に気分転換で何かしようと、ブックバインディングのクラスを取ることにした。最初は何となく取り始めたクラスだったが、続けていくうちに分かったことは、「本を創ることで仕事のストレスを忘れ、精神的な癒しをもたらしてくれる」ということ。元々手が器用な方ではなかったが、いったん始めてみると「一つのものを創り上げるっていうプロセスがおもしろくて、どんどんのめり込んでいきました」。それからは、活版印刷、版画などのクラスやワークショップを進んで受講、気がつけば自分でひと通り本を創れるようになっていた。西洋ブックバインディングのノウハウを習得したら、今度は和綴じに挑戦してみたくなったと言う。「ニューヨークにいると、逆に日本の伝統や文化の素晴らしさに気付くことって多々ありますよね」。専門書を読んで独学したり、アメリカ人ブックバインディング・アーティストのバーバラ・モリエロに師事したりして、和綴じも数年でマスターし、現在に至っている。
「和綴じ本は日記帳や備忘録、アドレス帳にオススメです。また、プレゼントしてもとても喜ばれるんですよ。アメリカにいる日本人には、忘れられつつある日本の伝統技術、和綴じの素晴らしさを、今こそ知って欲しいです」

表紙用の紙も、市販の和紙ではなく手作りしたいというこだわり派にオススメなのは、墨流しという技法で作られた紙。水にインクを垂らして紙に吸い取らせれば、マーブルペーパーのようになる。
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綴じ方は全3種類。これらは元々、唐の時代に中国から伝わった。右から基本の四つ目綴じ、亀甲(きっこう)綴じ、麻の葉綴じ。難しそうだが「手本通りに決められた場所と順序を守って糸を通すだけ」と林田さん。 |
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生徒の要望に応え、林田さんは、昔日本でよく使われていた和紙の箱の作り方もクラスで教えている。和綴じ本や写真集、小物などを入れるのに便利だ。 |
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