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2007/09/28発行 ジャピオン掲載記事

秋はバイクで走る

斉藤進さん
斉藤進さん
ライダー歴約45年、U.S.Recovery Bureauのエージェント兼リムジン・ドライバー。写真は26年来の相棒で一番のお気に入り、アメリカ最古のバイクメーカー、インディアン・モトサイクル社の1939年製「インディアン4」。ビンテージのバイクが好きなのは、製造中止となっているだけに「お金があるだけでは買えないものだから」。他にトライアンフ、カワサキ2台の計4台を所有。どれにも「車よりパーソナルな」感覚があるから、「車は人に貸せるけど、バイクは貸せないなあ」。

「死ぬまで乗り続けたい」
ベテランライダーに聞くバイクの魅力

まずはライダー歴約45年、大ベテランの斉藤進さん(59)に、バイクの魅力について聞いてみた。

斉藤さんが初めてバイクに乗ったのは、16歳の頃。自動車の板金塗装工場に見習いとして就職した際、職場に廃車となって眠っていた社長の50CCを見つけ、自分で修理して乗ってみた。結局その時は道路脇の田んぼに突っ込むという「初事故」も同時に体験することになるが、初ライディングの楽しさを、斉藤さんは今も覚えている。

74年、日本の企業から板金塗装工として派遣されたことがきっかけとなり、元々憧れていたアメリカへ。ニュージャージーに住み、自ら板金塗装業を開業、日本人のためのラリーを開催したり、ビンテージ・バイクの草レースで走ったりと、常にバイクや車に関わることをしてきた。40歳の時には、かねてから夢だったバイクでのアメリカ大陸横断を敢行。ニューヨークからカリフォルニアまで、1カ月半かけて一人で走った。「今までで一番楽しかった」バイク旅行だ。

乗っていて一番気持ちが良いのは、「目的地を決めずにふらっと走りに行って、途中で休んで一服する時。走ってる間は何も考えないからね」。また「バイクとは対話ができる」のも、自動車にはない楽しみ。例えばレースで、コーナリングの時にスピードをぐっと上げるか、それとも落として安全に走るのか、「バイクに聞いて」一瞬の判断をする。バイクは英語でIron Horseとも呼ぶが、ライダーとの関係はまさに馬と騎手のようだ。

自分の板金塗装工場を閉めた斉藤さんの今の職業は、曰く「バウンティー・ハンター(賞金稼ぎ)」。裁判から逃げている犯罪者を探して追い、捕まえた分だけ報酬を得る、まるで西部劇のような「BailEnforcement」という仕事で、リタイア後に資格を取った。60歳を目前にした現在でも、バイクには乗り続ける。「バイクは頭にいいんだよ。ずっと乗っていれば、ボケずに長生きできるんじゃないかな」。乗っている時には集中が必要で、独特の緊張感もあり、運転には頭も使うからだ。

バイクショーでは、80歳くらいのおじいさんが周りの人に助けられながらよろよろバイクに乗り、堂々と走って、また補助されながら降りるという光景を目にすることもあるとか。「そのくらいの年になっても、バイクには乗っていたいね」。

革のスプリング付きシート、上に伸びるギアなど。

革のスプリング付きシート、上に伸びるギアなど、ビンテージならではの意匠が。ホーンカバーとヘッドライト以外は、すべてオリジナルのパーツだ。ブレーキが利きにくく、クラッチが足にあるなど古いバイクならではの乗りにくさもあったが、それを乗りこなしていくのも楽しみの一つ。「バイクの貫禄に段々自分が追いついてくるんだよ」
  ホーンカバーとヘッドライト以外は、すべてオリジナルのパーツだ。
 
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