
ふだん健康的な生活を送っている人も、また病気の自覚症状が全くない人も、ひそかに病いが潜伏・進行していることがある。特に30歳を過ぎたら、人間の身体も何かとガタついてくる。そこで重要なのが、定期的な健康診断、いわゆる「人間ドック」だ。「人間も船のようにドック(次の航海に備えて完全な点検・修理する場所)に入って点検してもらう」というコンセプトから名づけられた「人間ドック」は、病気を早期発見する最良の手段。今回の特集では、アメリカでも手軽にできる「人間ドック」を紹介する。
さらに、がんに続き日本人の死因の2位、3位を占める心疾患と脳血管疾患、日本人に多い胃腸の病気、そして女性特有の婦人科系の疾病について、それぞれの分野の専門医師がわかりやすく解説する。


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人間ドック基礎講座
車検制度のないアメリカではとんでもないボロ車が平気で道路を走っていて、唖然とさせられることがあるが、日本にあってアメリカに元々なかったもののひとつが、いわば「人間の車検」=「人間ドック」だ。今回は、人間ドックについて「エッジウォーター・ファミリーケア・センター」の診療医、桑間千佳先生に聞いた。
早期発見は万病の対策
「自覚は無くても、知らないところで病気が進んでいることがあるんです」と桑間先生は人間ドックの必要性を強調する。早期発見、早期解決は万病に共通する対策だ。また、当センターでは、毎年1回の検診を継続してデータを積み上げることで、健康状態のより長期的な管理を行うことを勧めている。桑間先生は「自分の言語で自分の体について質問や相談できる機会が少ない日本人にとって、定期的な人間ドックはなおさら重要です」と付け加える。
アメリカ在住の日本人は
生活習慣病に特に注意
アメリカに移り住んだ日本人の間で最近特に増加しているのが、生活習慣病だという。「食事が欧米化したり、車中心の生活で歩かなくなったりすることにより、高脂血症や高血圧、そして糖尿病などの生活習慣病が増えています。また、慣れない生活や環境の変化によるストレス性の疾患なども見受けられます」と桑間先生は指摘している。
パッケージ、オプションなど
さまざな料金体系
当センターでは、年齢層・性別によってそれぞれ必要な検査メニューを組み合わせた人間ドックのパッケージを用意している。例えば30歳代向けパッケージの場合、700ドル前後。それに、自分が特に気になる箇所があれば、追加料金でオプション検査してもらうことができる。健康保険の適用は「原則不可」。しかし、人間ドック後の再診または再検査の場合はクリニック側から保険請求を行っている。保険には複雑な規定が存在するので、適用されるかどうかを問い合わせてみよう。
人間ドックというと、大がかりなイメージがあるが、ベーシックの検査のみなら半日で終了してしまう。血液検査において、血糖値、コレステロール、中性脂肪等の正確なデータを得るため12時間の絶食が必要なこと以外は、文字通り体一つで受診することが可能だ。長い人生という道のりで、走行中に突然故障などということにならないためにも、そろそろ自身を「車検」に出してみてはいかがだろう。
メタボリック・シンドロームとは?
肥満・高脂血症・高血糖・高血圧といった動脈硬化を促進させる病気、要素のうち3つ以上を合併している状態。 この状態により、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、閉塞性動脈硬化、脳梗塞などの循環器系の重大な病気を引き起こす危険性が極めて高くなる。疲労感などの症状が出る場合もあれば、自覚症状が出ないうちに進行していることもある。治療には、運動療法による内蔵脂肪の解消や、カロリー制限を含む食事療法など、医師の指導が必要。さらに重度の際には薬物投与による治療も不可欠だ。
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