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2006/08/25発行 ジャピオン掲載記事

ニューヨーク自転車物語
世界にたった一台しかない自転車
ニューヨークの路上は、キャブだけのものじゃない!自転車でこぎ出せば、今まで見えなかった異なるシティーの表情が見えてくる。思い切って、ニューヨーク自転車生活始めませんか?

The Hub Station
73 Morton St.
(at Hudson St)
TEL: 212-965-9334
Sun-Fri 10-12am
Sat 10am-8pm 

 改造自転車を作って16年。ジョージ・ブレスさんの目指す自転車は、ユニーク&オリジナルだ。
 
ジョージ・ブレスさん(52)が毎日乗っているポロバイク(①)。この見慣れないカタチをした自転車は、椅子にまっすぐ座った状態でこぐことができる。カリフォルニアのデザイナーが考案した自転車を改造して、より使いやすくしたブレスさんのオリジナルだ。普通自転車は、前傾姿勢でこぐため疲れやすいが、ポロバイクは姿勢を伸ばしたままなので疲れにくいという。ブレスさんは、これまで20種類ほどの改造自転車を世に送り出してきた。代表作は、ダンプトラック(②)。3輪の自転車にプラスチック製の荷台がついており、400ポンドまでの品物を運ぶことが可能。ニューヨーク大学、ユニバーサル・スタジオなどが購入した。「ニューヨーク市内は狭くて渋滞がひどいから、ピザやランドリーのデリバリーにも、自転車が便利だよね」。
 ブレスさんが改造自転車にハマったのは16年前のことだ。それまでバンを使って、要らなくなった家具などの廃品を回収し、手直ししてリサイクル販売していた。ある時バンが故障したのをきっかけに、子供のころから車の排気ガスに嫌悪感を持っていたブレスさんは、車の代わりになる自転車ができないかと思い立ち、友人に相談。ブレスさんは工業デザイン専攻、友人は自転車作りの職人。二人はチームを組んで自転車作りを始めた。11年前からは自転車ショップを開き、レンタルと中古自転車の売買をしながら、オリジナル自転車作りに励んでいる。「イメージどおりのものができた時には、最高の満足感があるね。もっとクリエイティブでユニークな自転車を作っていきたい」と熱い思いを語る。
 ウエストビレッジにあるブレスさんのショップでは、カスタムメイド自転車も作る。へんてこな物に慣れているニューヨーカーでもびっくりの自転車から、自転車生活を始めてみるのも手かも。 

①こんな自転車なら景色もしっかり楽しめる(非売品)。

②こんな自転車のアイデアが湧くのもニューヨークだからこそ?

愛犬とどこでも一緒にサイクリングできる!

ニューヨークで気軽に自転車を乗りこなそう!

快適! 自転車ライフのススメ

ニューヨーク生活が5年目に入ったデザイナーの竹股哲哉さん(28)は、通勤に自転車を使用している。おかげで、12丁目のアパートから24丁目にあるオフィスまでの朝の通勤時間は、「とても心地良い一時」だという。ラッシュ時の地下鉄の人ごみを避けられる上、交通費もかからない。おまけに、自転車の方が早くオフィスに到着できる。朝日を浴びて走っているうちに頭が冴え、冬はこいでいるうちに体が温まる。仕事中は自転車専用の公的駐輪スペース「ラック」に鍵でつないでおけば、盗難の心配もない。中学1年の時に自転車通学を始めた竹股さんは、その後、大学までずっと自転車で通った。「乗っている時は自分の時間を楽しめます。自分にとって大切な時間です」と自転車の魅力を語る。日本では歩道を走るが、こちらでは車道を走るため、長い直線を走れるのも魅力だという。「特に夜のマンハッタンは最高」。交通量が減り、昼間より広く感じられる道を、自分のペースで楽しむことができる。「時間が止まったようなニューヨークを感じることができます」。
 竹股さんの大学時代からの友人、駒場次郎さん(29)も通学に自転車を使用している。休日の夕方にはよく二人で、イーストリバー・パークを走る。ウイリアムズバーグ・ブリッジを臨み、途中、気に入った所で気軽に止まって休憩する。車のように駐車場の心配をすることもない。「自転車の機動力がいいですね」と駒場さん。
 ニューヨークでは渋滞は日常茶飯事で、乱暴な運転をする車も多い。月に2回は、車と接触する自転車を見かけると竹股さんは言う。そのほとんどがバイク・メッセンジャーだそうだ。自転車専用道路には、本来自動車は駐車してはいけないが、駐車している車も多い。車をよけようとして対向車と接触したり、いきなりドアが開くことがあるので気を付けたほうがいいと、竹股さんはアドバイス。カーブでの連結バスは特に要注意だ。15年間無事故の竹股さんは、その秘訣を「ゆっくりこぐことですね」と教えてくれた。



自転車で発見する新たなNY

週末に、ニューヨークをツーリングするサークルがある。91年発足、現在会員1400名のファイブボロー・バイシクルクラブ(5BBC)だ。毎週末異なったコースが3種類用意されており、自分の好きな時に好きなコースを選んで、ツーリングに参加することができる。それぞれのツーリングには常時20〜30名が集まる。列の前と後にはリーダーが走ってくれるので安心だ。パンクした時など、何か問題が起きてもケアをしてもらえる。
 代表のエドワードさんは言う。「バイクを買って、最初は安全なセントラルパークを走るでしょう。それに飽きたら、自転車でいろんな所に旅をしてみたくなる。そんな気持ちになったらヘルメットをかぶって参加してください。ニューヨーク市内で乗ったことがない人でも、私たちがストリートの走り方を教えます」。自転車でのツーリングの楽しさを「自転車でゆっくり走る事によって、車を運転している時には見えないものが見えます。新たなニューヨークの発見がありますよ」。
 ウエストサイドのハドソン川沿いには自転車専用道路あるので、ダウンタウンからジョージ・ワシントンブリッジまで、快適なサイクリングができる。また、マンハッタン・ブリッジ、ブルックリン・ブリッジなどに設けられた自転車専用レーンも安全で、景観が素晴らしいのでおすすめだ。

ツーリングに出発する5BBCのメンバー

代表のエドワードさん

竹俣さん(右)と友人の駒場さん。イーストビレッジの街角で。

Five Borough Bicycle Club
TEL:212-932-2300 Ext.115
www.5bbc.org





NYジャピオン368号(August 25,2006発行号)より記事・写真抜粋
※記載されている情報は変更されている場合があります。
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