

狭い地域に密集する住居、良いとは言えない衛生状態…ニューヨーク市内でネズミやゴキブリの被害に悩まされる人は多い。ネズミ被害などペスト・コントロール関連でニューヨーク市に寄せられた苦情は、今年4月までで2万6363件。2004年の年間総数2万2600件を見ても、急増していることがわかる。こんななか、自宅をネズミから守るにはどうすればいいのか?エクスターミネーター界のカリスマ、バリー・ベックさんに聞いた。
──ネズミに対抗する方法をズバリ教えてください。
屋外と屋内、両方での対策が必要なんだ。屋外での注意点は3つある。バックヤードなどに草が茂っている場合は、短く刈ること。ネズミは特にツタの陰なんかに隠れていることが多いからね。次に、ゴミを散らかさないこと。外に置いてあるゴミ箱のふたは、ちゃんと閉めよう。あとは、家の壁にネズミの侵入口となる穴がある場合は、カッパーメッシュ(写真参照)などでふさぐ。直径8ミリ程度の穴でもネズミは入ってこられるから、小さな穴でも見逃しちゃいけない。
──では、屋内での注意点は?
清潔第一だね。食べ物は必ずガラス瓶など密封できる容器に入れて収納するか、冷蔵庫に保管するように。もちろん食べこぼしはすぐに掃除する。ペットフードを放置したままにするのも厳禁だよ。そして、ネズミの隠れ場所を作らないこと。巣の材料となる紙やビニール、布はすぐ整理した方がいいね。穴も全部ふさいで、それでもだめならプロに頼むことかな。
──ゴキブリについては、どうしたらよいでしょう?
同じく常に清潔にすること。引っ越しで使った段ボール箱や、デリで買い物したときにもらう茶色の紙袋について外から入ってくることもあるから注意しよう。奴らは紙の接着剤が好物だからね。夜、寝る前にキッチンなどの排水口の中にアンモニアを1カップ程度たらしておくのも効果的だよ。ゴキブリはそこから入ってくるんだ。市販の駆除薬を併用してもよいけど、使用上の注意をちゃんと読むこと。空気中に噴霧するタイプなんかは、引火して火災の原因になることもあるから注意が必要だよ。とにかく、ゴキブリは見つけたら殺す。それしかないね。
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バリーさんが強調したのは「キープ・クリーン」という言葉。ネズミ対策は一朝一夕にしてならず、日常の地道な努力が大事なのだ。とにかく清潔に、こまめに掃除をする。まず、そこから徹底しよう。

アシュアード・エンビロメンツ社のシニア・マネージング・ディレクター、バリー・ベックさん。

住居の穴ふさぎに使うカッパー(銅)のメッシュシート。ハードウエアストアなどで購入可。

デリなどでもらう茶色の紙袋。ゴキブリは底の隙間に隠れて襲来する?!
計5人がシェアするブルックリンのMさん宅。ビルの2階、バスルームとキッチンが1つずつに、寝室が5室という間取り。ネズミには2年半前から悩まされており、あらゆる手を打ったが敵は去らず。ここはもう、プロのアドバイスを仰ぐしかない!
自分でできるだけのことをしてもまだネズミが去らなかったら、その時はプロの出番。ジャピオン取材班は今回、アシュアード・エンビロメンツ社のエクスターミネーター・リンカーンさんに同行してネズミに悩む読者のMさん宅を訪れ、プロの撃退術を拝見した。
「穴をスチールウールでふさいでみたのですが、掃除しても掃除しても1週間後にはまたネズミのフンが見つかるんです」と、Mさんはかなりお困りの様子。リンカーンさんは初めに室内のフンを調べ、出没するのはラットでなくマウスであると特定。専用のツールを選んで作業にかかった。
まず、キッチンの冷蔵庫裏の穴がマウスの出入り口になっているとにらんだリンカーンさんは、周辺に殺傷効果のあるトラッキングパウダーを噴霧。「穴にはカッパーメッシュを張り、プラスターを塗って完全にふさぎましょう。小さな隙間には市販のコーキング剤を」とアドバイスした。
その後、部屋のすみやヒーターの陰、シンクの脇、戸棚の中、排水口などプロの眼でマウスの通り道を見極め、毒餌とバネ仕掛けのトラップ、強力接着剤でマウスを捕まえるグルー・トラップの3種類をセット。約5畳のキッチンと約10畳のベッドルームに、計20組を仕掛けて作業は終了した。
リンカーンさんによると、アパートの場合は、自宅をきれいにしても隣の部屋にネズミがいれば移動してきてしまうので、大家に依頼して建物全体の駆除を行うのが望ましい。ベストは入居時に穴の有無を調べ、家具を運び入れる前にふさいでおくこと。今回仕掛けたトラップの効果が現れだすまで約2週間…プロの技に期待したい。
NYジャピオン362号(July 14,2006発行号)より記事・写真抜粋

