

いよいよワールドカップ・サッカーが始まる。開催地は遠くドイツなれど、ここは人種の坩堝、ニューヨーク。地の利を生かし、列強の熱狂的ファンが集まるお店で、W杯を思いっきり盛り上がってしまおう!
─MLS国際部 中村武彦氏 特別寄稿─
米メジャーリーグサッカー(MLS)国際部に勤務をしている関係上、メキシコ代表をはじめとする、中南米サッカーが自分のビジネス領域であり、前回のW杯直後に渡米して以来、日本代表を直に観る機会は皆無に等しいが、来週からドイツで開催されるW杯が非常に楽しみである。
今年2月に日本代表が米国代表に惨敗し、正直MLS内での日本代表への評価は大きく下がり悔しかった。しかし、MLS公式サイト上のW杯予想において「日本代表は1次リーグ敗退」と斬りながらも「近年最も急速に成長をしている代表チーム」と評し、日本代表が一目置かれる存在であるということは確かである。
また、豪州代表の主力選手にけが人が続出し、そして優勝候補筆頭のブラジルに対して、日本代表は比較的相性が良いことなどはMLSでも良く知られており、W杯で日本代表の躍進を予想する者もいる。ただ、やはりJリーグと同様にまだ11年目のMLSが、日本サッカーへのライバル心がないと言えば嘘になり、米国代表のグループが非常に厳しく、1次リーグ突破が危うい中で、日本へ素直に高評価を与えることができないという側面はある。
ありがたいことに、W杯の全ての試合はABC、ESPN、そしてESPN2で生放送されるので、先日のWBCまでとは言わないが、日本代表の活躍を楽しみにしている。米国代表とはベスト16で対戦をする可能性もあり、彼らをギャフンと言わせ、前大会を上回るベスト8進出ぐらい期待したい。
■MLS広報部員の予想
キーは柳沢と高原
「厳しいグループではあるが、豪州代表とは対戦したことがあるし、勝ち方も知っているはず。それ故、中盤のバランスを崩さずにクロアチア戦に引き分けることができれば、1次リーグ突破はできるだろう。キープレーヤーは柳沢と高原だろう」
相手のスキに突き入る
「米国代表と似ていて、好試合を演出するためのツールは持ち合わせていると思う。世界レベルと比較すると技術的な面で劣る感は否めないが、それゆえに有利な点もある。なぜなら対戦相手たちは日本をなめているからだ。その間に、相手をどれだけ驚かすことができるかだと思う。1次リーグ突破の可能性は高い」
アウェイでどこまでやれるか
「ここ10年の日本及びアジアサッカーの発展を世界中が目の当たりにしている。また、その勢いが止まる理由は見当たらない。F組ではブラジルが一番強いと言われているが、日本代表が2位で突破する可能性は十分ある。しかし、前大会のような自国開催特有の後押しがないことは、肝に銘じておくべきだ」
■MLS育成・技術部(元米国代表コーチ)アルフォンソ・モンデロ氏の予想
中村がチームを引っ張れるか
「戦術的に未熟な部分を露呈する傾向があり、何人かのキープレーヤーがベストのコンディションではないようだが、日本代表のポテンシャルを考えると、日本代表は手強い相手だと思う。勝利へのカギは、中村俊輔がチームのリーダーとなれるか、そして、中田英寿がベストのコンディションに持っていくことで、柳沢選手と高原選手が得点を上げられるか…、でないだろうか。健闘を祈る」

中村武彦さん©Daisuke Sugiura

草大会でW杯気分を(New York Scores)
熱きゲルマンたちの牙城
■ツム・シュナイダー
■シルベスタ・シュナイダーさん(オーナー)
今年は開催国ということもあって、今まで以上に気合いが入っているぜ。イングランドは早めに潰して、決勝はイタリアあたりになれば。ブラジルとは前回やったからもういいや。W杯は、グループリーグさえ通過すれば、後は一発勝負。どのチームにも優勝の可能性はあるから、日本もまあせいぜいがんばってくれよ。うちはドイツのクレイジーなサッカー好きばかりだけど、どこのサポーターも歓迎さ。ただし、イングランドの連中だけは鼻血出して帰ることになるだろうけどな、ガハハハ!
レッドデビルの巣窟
■バーデン・バーデン
■キム・スクンさん(マネジャー)
前回韓国を4強に導いたヒディングは、今回はオーストラリアに行ってしまったけど、また同じオランダから監督を連れて来たからイケルはず。ライバルは…、もちろん日本。どんどん実力を上げているし、日本対韓国は韓国人が一番観たいゲームだから、両チームともに是非グループリーグを勝ち抜いてほしいね。大会期間中、うちの店はレッドデビルたちで真っ赤に染まるだろうけど、誰も噛み付いたりしないから、同じ東洋の国として健闘を祈りあおう!
西アフリカ移民が一つに団結
■ケウル・ソクナ
■アブー・リーさん(マネジャー)
僕の母国、セネガルはアフリカ予選で敗退してしまったけど、今年は同じ西アフリカから3カ国が大会初出場を果たしているので、彼らを応援することにしたよ。中でもコートジボワールには期待大。アフリカの看板を背負ってがんばってほしいね。日本も好きなチームのひとつで、今回の代表選手もチェックしたよ。最近は中田(英)の調子が良くないので、高原や稲本あたりの活躍が今大会のキーになってくると分析しているけど。で、巻って誰?
老若男女ナズドロービヤ
■ウクレイニアン・スポーツ・バー
■ワシル・ジンケビッチさん(チェアマン)
当クラブ設立から苦節半世紀、どんなにこの日を待ちわびたことか…(涙)。かつては共にボールを追いかけた仲間達もリタイヤし、今はウクライナビールを片手に、ここでサッカー観戦をするのが毎日の楽しみ。だから今回の初出場には、目の黒いうちに同胞の檜舞台を見られることになって良かったと、みんなで喜んでいるよ。世界の強豪の中では、日本もウクライナ同様苦しい展開になりそうだけど、勝っても負けてもナズドロービヤ(健康に乾杯)!
NYジャピオン356号(June 2,2006発行号)より記事・写真抜粋

韓国のファンは赤が好き。(バーデン・バーデン)

とにかく、みな陽気。(ケウル・ソクナ)

店内はW杯関連の案内でいっぱい。英雄シェフチェンコのポスターも。(ウクレイニアン・スポーツ・バー)

