

女性二人組ポップユニット、チボマット(本田ゆか、キーボード)のシンガーとしてニューヨークでブレイク、その後も様々な音楽活動を行ってきた羽鳥美保さん。初のソロアルバム「Ecdysis」を日本先行リリースした彼女に「60年代カルチャー」について語ってもらった。
─最初に60年代に触れたのは?
最初はファッションからかな。高校生の時東京の高円寺、下北(60年代カルチャーが色濃い街)とかで遊ぶようになって、そこの大人たちが聞いていたビートルズとかの音楽も聞くようになっていったんです。
─今回のソロアルバムでも60年代の影響を受けたものがあるとか?
60年代にいたイギリスの建築家グループ「アーキグラム」が作ったアート作品「ウォーキングシティ」(街が虫のように足で行きたいところに移動する)があって、最初はビジュアルから入ったんですが、すごく未来的だと思っていたものが実は暗いぞ、と思えてきたんです。どうしてあんなに大きなもので海の上とかを歩かなくちゃいけないんだろう、もしかしたら地球の酸素がなくなってしまったからではないのだろうか?とか、人間が自然の中で生きられなくなってきたから?と思った時に、現代にあるアトピーや喘息とかの問題とリンクして、警告だったんじゃないかと思ったんです。 自分達で意識を今から変えていかなくてはという気持ちを込めて曲を書きました。虫が好きな女の子がいて、小さい虫は実はとても知恵のある生活をしていて、「自然の知恵」というのは科学的に分析できないっていうコンセプトで。
─日本語で歌うのは珍しい羽鳥さんが、日本の子供のための曲を今作られたのはなぜですか?
私が好きな曲って童謡とか民謡で、日本で今流行っている曲には日本らしさがないなあって思って。今メディアは「少子化」とか「ニート」とかネガティブなことに注目していて、そういうのより楽しいメッセージを子供に与えた方がいいんじゃないかって。「一緒に遊ぼう!」とかの方が子供って喜ぶじゃない?子供の時にいいメッセージの曲を聴いて大人になって思い出してくれたらと思ったの。
─子供が解放される曲だなと思いました。
子供なのよ。(笑)植物とかみても「足が出てるぞー」とか。そういうのは忘れたくないなって。
─最後に60年代を一言で…。
デザインとかも幾何学的で、ビートルズがインディアンミュージックを奏でたり、〝広がってきた〟時代かな?今はインターネットでマダガスカル島のなんとかさんとも話せてしまう時代だけど、あの頃はインドのシタールが聴きたいと思ったら体を使って移動したじゃない?60年代の広がり方は、動物的なものと人間的なものがちゃんとクロスしていた時代だと思う。

MIHO HATORI

ファースト・アルバム「Ecdysis」。

羽鳥美保さんのレコード棚には60年代のものがずらり。ブリジット・バルドーのCDBOXセットも。
60sをよく知らない人でも、この夏すぐに応用できる変身テクをご紹介。
ヘア&メイク
アイメークが60sメイクのキー。アイホールにブラウンで陰影をつけ、目頭にアクセントでオレンジを。セパレートのつけまつげを上まぶたの目尻から3本くらいつける。眉は自然の形を生かし、ファンデもごく薄め、唇はグロスなど目もと以外はあくまでナチュラルなのが、ハロウィン風メイク回避の今年流。ヘアはホットカーラーやアイロンを使い、大きめに内巻に巻いて、クラシカルな流れをだす。固めすぎない無造作なまとめ髪がベスト。
ファッション
60sビンテージミニドレスをチョイス。夏の太陽に映える元気でキュートなサーモンオレンジだが、カギ針編みニット素材なので上品さもプラス。天然石のロングネックレスと、ゴールドチェーンを重ねづけ。足下は同系色のヒール、または白いロングブーツを合わせてもかわいい。色で遊ぶのが60sスタイルの基本だが、多色になり過ぎると失敗しがちなので注意が必要。細めのビンテージベルトでウエストマークすれば一気に今年テイストに。
シックスティーズ・リバイバルと言われ何度この時代が復活したことか。それほど60年代のファッションにはその後の時代を変えたキーワードが溢れている。「ガーリースタイル」と言われるロンドンのストリートから生まれたファッションは、ミニスカートに白いタイツとショートヘアなど、それまでのエレガント一辺倒で保守的な女性を崇拝する美意識をくつがえした。また音楽とファッションはいつの時代も恋人同士のような間柄だが、この時代ほど深く「愛しあった」例はない。その典型がベスパを乗り回し、「モッズ」と呼ばれた若者ファッション。イタリア製細身の三つボタンスーツでプレイする「ザ・フー」や「スモールフェイセズ」などのモッズバンドたちのスタイルから、ムーブメント化したと言われている。また、全世界がロケット開発を競い合っていたスペースエイジな時代を反映し、メタルやプラスティックなどの異素材から作られる「コスモルック」と呼ばれる近未来系ワンピースなどもモードの世界を賑わしていた。
そして2006年、この時代のカリスマブランドVIVAの復活が大きなファッションニュースとしてとりあげられている。カラフルな想像力に満ち、時を超えても錆びない「アタラシイ」ファッションは今もなお鼓動している。
NYジャピオン355号(May 26,2006発行号)より記事・写真抜粋

Circa Now

「サーカ・ナウ」のオーナーのクリッシーさんはパートナーのニコルさんとともにお店のすべてをプロデュースするマルチなデザイナー。

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