

「まずはオタクっぽいのが好きじゃないとダメでしょうね。機械好きで、アメリカで日本の機械使ってどこまでできるんだろう、やってやるぞっていう情熱がないとね。あ、でも僕オタクじゃないですよ」と、ご愛用のパームを見る渡辺亨さんの目に満ちあふれる愛情と情熱的な語り口は、なかなかどうしてオタクな様子。フジテレビ朝の看板番組の一つ「めざましテレビ」の人気長寿コーナー「OH!MYニューヨーク」を手がけるプロデューサーの渡辺さんは、日本のスタッフと常に連絡を取り合うことが必須。特に、昼夜を問わない日本語メールのやり取りに便利だといういうこともあって、ソニーのパーム「クリエ」を愛用しているそうだ。
「ブルートゥースが内蔵されているから、ケイタイが通じる所ならどこからでもさっとメールが送れるから便利ですよ。これもね、日本で買って、ソニーの人に『アメリカのケイタイでもつながりますか』って聞いたら、『やったことないから分かりません』って言われちゃって。まあ、当然なんですけどね。それから、クリエとシンギュラーのサービスをつなげるにはどうしたらいいかなんていうアメリカ人のオタクサイトを探し当てて、それを研究してつなげて…。好きな人間じゃないとできないですよね、こんなこと」
とはいえ、ケイタイで難なくメールをやりとりしてしまう日本では、パームの旗色はイマイチ。ソニーもパーム市場から撤退してしまった。パーム用のソフトも減少しつつある今、渡辺さんの心境やいかに?
「これが壊れちゃったら?マイクロソフトのウインドウズ・モバイルとか使うようになるのかもしれないけど…。でもパソコンてなんだかんだいって結局大きいでしょ。これくらいの大きさでさくさく動くなら、これがいいですね」と思わず遠い目になる渡辺さん。
「これにね、本やニュースをダウンロードしておいて寝る前に読むんです。これなら電気消してもそのまま読めるでしょ?僕のお気に入りの使い方です。家内には目が悪くなるって怒られるんですけどね。庭でタバコを吸いながらもよく読みますよ。雨が降ってきたら、慌てて中に入ったりして。絶対壊したくないからね」
テレビという最先端を送り出す仕事と製造中止になってしまったお気に入り。ちょっぴりアンバランスに見える組み合わせに渡辺さんの魅力の一端が垣間見えた。
■ジャピオンのスーパー・ツール
4月から本紙で「酒匠のんだくれ日記」を連載中の菱沼勇人さん。今宵の逸品を求めて世界を駆け巡る“空飛ぶ酒匠”のこだわりスーパー・ツールはこれだっ!!

菱沼勇人さん

地球3周分はともにしている愛着あるバッグで、ボルドーの蔵めぐりや九州の蔵元をまわる時に12本の瓶が入るスグレモノ。インナーバッグとして「BUILT」社製のボトル入れを使うとワインボトル保護にもなる。

小物類は全てヴィトンタイガーラインで、これ以外に名刺入れと書類カバンもあり。ヴィトンマークが控え目なのがお気に入り。
【デジタル派】小野伸治氏(NTTドコモUSA社長)
「ナミキテルが始まったときに、自分たちが提供するサービスなんだからやっぱり使ってみないと、と使い始めたんですよ」
やはりNTTドコモUSA社長のスーパーツールはブラックベリー。
「去年の10月からナミキテルソフトで日本語の送信もできるようになって、なおのこと手放せないですね。出張が多くて、最近でも過去5週間ほとんど出張でしたが、スケジュールもスタッフとブラックベリーで共有・管理できるから助かります」
普通のキーボード配列でタイプできるのが受けて、アメリカで爆発的人気のブラックベリー。小野社長も「テンキーは実は苦手でね。日本ではケイタイ・メールはあまり使っていなかったものだから」。
日本のマルチメディア事業を牽引してきた小野社長の意外な一面だ。意外と言えば小野社長、実は電車通勤をしている。通勤中に英字新聞を読み、知らない英単語が出てくると、電子辞書で調べるようにしているのだそうだ。電子辞書を仕事以外でも日常で使いこなして「知らないものがあればサッと調べる」——トップに立つ人というのはやはり何かが違うと妙に納得。
ちなみに社長は手帳も当然デジタル派。シリコンバレー勤務時代の90年代初めからご愛用で、現在は2代目の電子手帳なのだそうだ。
【アナログ派】青木ケン氏(服飾コンサルタント)
「こちらでは、人に会うときに服装を整えるということは、相手に対してそれだけ気を使っていますよ、ということになる。誤解を恐れずにいえば、西洋は見かけが重要視される文化なんです」
私は「洋服屋」です、という青木さん。洋服の歴史は長く、それに詳しい青木さんはやはりアナログ派。歴代大統領も顧客にもつカスタム・メイドの老舗、トム・ジェームスに入社したとき上司にもらったモンブランの名前入りボールペンが、青木さんのスーパー・ツールだ。
「ミリオンダラーの契約を交わすには、それにふさわしいペンがあるって(その上司が)言ったんです。実際は洋服でミリオンダラーの契約なんてありませんが、契約のときにそこらのボールペンを出したら、やっぱり失礼ですから」
もう一つのスーパー・ツールが手巻き式の腕時計。直線と曲線を組み合わせたアールデコ・スタイルが好きだという青木さんのお気に入りは、大恐慌の年(1929年)に作られたビンテージのハミルトン製。
「70年以上同じ音を刻んでいるんだと思うと感慨深いものがありますね。クオーツと違う人間らしい音がしませんか?」
青木さんのスーツから覗く腕時計は「どこで手に入れたの」とビジネスの場でいい会話のタネにもなるとか。スーツを仕立てるという男のこだわりを形にする仕事にはぴったりのツールといえる。

小野社長のデジタル「三種の神器」。(右から)Blackberry(ケイタイ電話)、カシオのEx-word(電子辞書)、シャープのZaurus(電子手帳)

モンブラン(左)のほかにお気に入りなのが、ゼブラのボールペン。(青木さん)

平塚さんの作品について講演用にまとめたメモ(右側)。隣のページはなぜか突然スケジュール帳になっている。

