

お花見に欠かせないお弁当、その定番といえば「おむすび」というわけで、ミッドタウンのおむすびカフェ「オムスビー」の泉文乃さんに、春色おむすび3種類の入ったスペシャルお花見弁当を提案してもらった。
ポイントは、海苔の代わりに大豆シートを使うこと。餃子の皮のような食感のこのシートはほのかに甘く、黄色やピンクなどカラーバリエーションがあるのが特徴だ。定番の梅干しおむすびも、ピンクの大豆シートを巻けばぱっと華やかに。ごはんに混ぜたゆかりと大豆シートの味で、梅干しのすっぱさもほど良く和らぐ。ごぼうサラダのおむすびは、ごぼうとにんじんをマヨネーズやしょうゆ、砂糖などで和え、それを塩おむすびの上にたっぷり盛って、オレンジ色のシートで巻いたもの。そしてひじきのおむすびには、黄色のシートを。ひじきごはんに入った枝豆の緑とよくマッチする。
どのおむすびでも、おいしさの決め手はごはんの味。塩味を均等に行き渡らせるためには、「炊く前に塩を混ぜてしまうのがコツ」と泉さん。そのほか米を30分以上浸水させてから炊く、炊けたらしゃもじでかきまぜてから充分蒸らすなど、ひと手間かけるだけで味は変わってくるという。
緑色のアスパラや、黄色の卵、ピンクの明太子など、おかずも彩り豊かなこのお弁当。桜の木の下で味わえば、ニューヨークの短い春も存分に満喫できそうだ。
NYジャピオン350号(April 21,2006発行号)より記事・写真抜粋

オムスビー流お花見弁当

アイデアを提供してくれた、「オムスビー」ジェネラルマネージャーの泉文乃さん。

大豆シート(3色24枚で9ドル)
4月29日と30日には、ブルックリン植物園で恒例の「桜祭り」が開催される。毎年数万人が訪れるこの祭りは、今年で25回目。和太鼓や殺陣、日本舞踊などのパフォーマンスから生け花、お茶の野点、豆腐作りや着物のファッションショーなど60以上のイベントが、2日間に渡って行われるのだ。
春を祝う心の素晴らしさ
「日本でさえも忘れられかけている伝統文化を、ニューヨークという異国の地で守ろうという試みがあること、これがまず素敵なことです」と桜祭りについて語るのは、同植物園内のイベントを統括するパブリックプログラム・ディレクターのアニータ・ジェイコブスさん。「春を祝う、自然に感謝するという日本の精神は素晴らしいですよね。こちらに住んでいる日本人の子供さんにも、日本人以外の方にとっても、桜祭りがこういった精神的なことも含めて日本文化を学ぶいい機会になると思います」と、文化交流の場としての祭りの意義を強調した。
また、パフォーマンスをする人の中には、第1回目から毎年この祭りに参加している面々もいる。ニューヨークで長く日本の伝統文化の普及に努めているそういった人たちに加え、コスプレショーなど新しく認知されてきたモダンジャパニーズ文化や、今回初参加のアメリカ人によるJポップバンド「ガイジン・ア・ゴーゴー」といった異文化の融合形が一緒に見られるところも、桜祭りの面白さだ。
肝心の桜の木は1914年に植えられたものをはじめ、220本42品種というレパートリーを誇る。「染井吉野」、「紅枝垂」、「白妙」など日本の桜は数あるが、桜祭りの頃に見頃なのは、大輪でボリューム感のある八重桜の一種、「関山」だ。「チェリー・エスプラネード」と呼ばれる園内の広場にはこの木が一列に植えられており、満開になるとまさにピンクの天井ができたようになる。
桜から幸せを
30年以上この植物園に通って桜の絵を描き続け、1992年からは毎年桜祭りのポスターの絵を担当している画家の澤野水纓(みずえ)さんは、桜の魅力について「見ればほっとすること。やっぱり日本人だから」と語る。日本が外国に木を贈るなど、友好関係を結ぶ手段、平和のシンボルとなっている桜。花が咲いているのは短期間だけで、散った後テロや災害で木がだめになってしまったら「もう会えない」。だから来年まで何事もなく、また花を見られるように祈ることが、平和を祈ることにつながるのだという。
祈りをこめて絵を描くなかで、澤野さんはここの桜から、幸せや情熱、生きる力をもらった。植物園については、「子供を遊ばせていても安心な、平和で守られた場所である ところが好き」とその魅力を語る。「是非来て下さい。幸せになると思います」。
NYジャピオン350号(April 21,2006発行号)より記事・写真抜粋

①澤野さんお気に入りの、雄大なしだれ桜。

殺陣や日本舞踊などのパフォーマンス、雅楽演奏などイベントは盛りだくさん。

画家の澤野水纓さん。植物園温室の地下にあるギャラリーでは、桜を描いた作品を5月28日まで展示している。

