2016/03/11発行 ジャピオン855号掲載記事


クレジットカード

米国では日常生活で、クレジットカードが必要となる場面が多い。専門家に米国のクレジットカード事情について聞いた。


米国のカード事情

 米国は、1人当たり平均7、8枚を持っているといわれるクレジットカード大国。「本来クレジットカードとは、あるまとまった額の買い物をするときなどに、お客さまが自分の信用を元に、一時的にお金を借りて購入できるという利便性を求めて作られたもの。小型のローンと考えると分かりやすいでしょう」と説明するのは、プレステージインターナショナル・アカウントエグゼクティブの水野隆文さん。

 大金を持ち歩く必要がなく、カードを紛失したり盗難に遭っても、すぐにクレジットカード会社に連絡してカードの使用を止めてもらえば損失を防げるのが大きな利点だ。

 クレジットカードは、買い物やサービスを受けた後、翌月に一括返済するのが基本。日本ではカードによっては分割払いやボーナス払いが可能で、その場合は買い物をした時点で分割払いにするかどうか尋ねられる。

 一方、米国ではリボルビング払いがむしろ一般的で、カード利用時に分割払いにするかどうか尋ねられることはない。

 「リボンルビング払いとは、一括で返済できない場合、クレジットカード契約時に決められた最低金額を返済すればいいというシステム。残高に対して利息が付きますが、クレジットヒストリーに大きく悪影響を及ぼすほどではありません」と水野さんは語る。

クレジットヒストリー

 日本と米国のクレジットカードにおける最大の違いは、「クレジットヒストリー」が重要という点。クレジットカードで購入や返済を行った履歴を示す信用情報のことで、米国では民間会社数社がクレジットヒストリー情報の管理をするサービスを提供している。また、クレジットヒストリーを統計学的に数値化したものを「クレジットスコア」と叫び、ほとんどの会社が、スコアを300から850の間に設定している。日本でも信用調査は行われ、その情報を提供する機関はあるが、一般的に知られていない。だが、米国ではクレジットヒストリーの重要性が一般的に認知されており、クレジットレポートを手軽に取り寄せることができる。

 では、なぜクレジットヒストリーやクレジットスコアが重要なのだろうか。

 「例えば車の購入やリースを申し込む場合、ディーラーによっても異なりますが、一般的にはスコアが700ポイントは必要だといわれており、ポイントが低いと、たとえローンを組むことができても、金利が高くなる場合があります」

 また、家や車のローン、クレジットカードの残高などの負債額が大きいと、それだけ返済義務を負っていることになるので、クレジットスコアには良い影響を与えない。逆に返済額が少ないと信用されやすく、スコアにもいい影響を与える。つまり、家や車の購入などを予定している場合、高いスコアを維持しているとローンを組む際、有利な金利になるというわけだ。

 その他にどのような要素が影響を与えるのだろうか。水野さんは、「クレジットヒストリーの長さ、ローンを組む際の申し込み状況、現在利用しているカードの枚数や利用履歴なども影響します」と話す。

 クレジットヒストリーは長いほど情報が多く、それだけ信用が増すため、カードは数枚持ち、解約せず持ち続けた方が良いという。

 米国では銀行が1年に一度無料でクレジットレポートを開示してくれることが多い。「こうしたサービスを利用して自分のクレジットスコアの変動を見てみるといいでしょう。もし、スコアが下がっているようなら、原因を探しましょう」と水野さんは勧める。

 クレジットヒストリーは計画的な収支のバランスの目安となるため、すでにローンがあるのに新たなローンを組みたい場合や、新しくクレジットカードを作りたいとき、スコアが低かったら新規のローンは先に延ばし、支払いを優先するなどの工夫も必要だ。ただし、クレジットヒストリーの閲覧自体も記録に残るといわれている。あまり頻繁にヒストリーを閲覧すると悪い影響を与えかねないので、その点は注意を。

セキュアドカードとは

 クレジットヒストリーは長い方が信用度が増すということは、逆に言えば米国に来たばかりの人は、クレジットカードを作るのが非常に難しい、ということ。

 そこで、こうした人でも作ることができるのが「セキュアドカード」だ。米国の銀行がデポジット(担保)を取って発行するカードで、例えば、申し込む際、500ドルを担保として銀行に預けることでカードを発行してもらえる。もし、カードで使った金額を返済できない場合は、担保の500ドルは返済に充てられる。セキュアドカードで返済をきちんと続けていれば、銀行が一般的なクレジットカードに切り替えてくれる。

 セキュアドカードの利用に際して注意したいのは、一般的にAPR(年利率)が非常に高いという点。その理由を、水野さんは「クレジットスコアのない人に発行するセキュアドカードは、銀行にとってはリスクになるからです」と説明する。一括返済できずに残高が残った場合、未払い残高に対する利子が非常に高くなってしまうということをよく理解しておきたい。

 またセキュアードカード以外でも、「プレミオプラスカード」(プレステージインターナショナルが発行)のように、日本の信用情報を元に与信で発行するものもある。この場合、クレジットヒストリーがない日本人でもカードを作ることができる。

クレジットカード詐欺とは
クレジットカードの利用頻度が高い米国では、カードに関する犯罪も多い。一般的にどんな犯罪があるのか、またその対処法を解説する。

フィッシング

 巧妙な手口で、本物そっくりの偽のウェブサイトにアクセスするように仕向け、クレジットカード番号などを入力させて情報を盗み取る。

スキミング

 カード情報を特殊な機械で読み取る詐欺。前記のフィッシングはパソコンに最新のソフトを入れてセキュリティーを万全にするなどの対策を講じられるが、スキミング詐欺は銀行からの利用明細で初めて気付くことが多いのが特徴。

被害に遭ったら

 詐欺の被害に遭ったと分かった時点ですぐに対処すれば損失を回避できるのが、クレジットカードの利点。身に覚えのない請求があったら、すぐにカード会社に連絡すること。

 不審な請求に気付いたら、自分で請求元(明細に電話番号が記載されていることが多い)に連絡して、何に基づく請求なのかをまず確認すること。それでも状況が分からない場合は、カード会社に電話し調査を依頼する。自分でまず確認した事実があるとカード会社から信用されやすく、調査を迅速に進めてくれることもある。

 不正使用された場合、通常2カ月以内に、報告するのが原則。それ以上時間が経過すると、消費者としてカードの不正使用や請求ミスに対する権利を失うので注意が必要だ。

 「クレジットカードの不正利用の自己防衛の基本は、オンラインで自分のカードの利用状況を確認し、毎月送られて来る請求書にきちんと目を通すことです」と水野さん。そして、身に覚えのない請求があったら、すぐに対応することだ。

お話を聞いた人
水野隆文さん
プレステージインターナショナル・アカウントエグゼクティブ
PrestigeInternational USA, Inc
TEL: 800-947-2030
card@premio.com
www.premio.com



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