2016/03/11発行 ジャピオン855号掲載記事


引っ越し

アメリカから日本への帰国、市内や近距離の引っ越しに関して、それぞれ専門家に準備を始める時期や注意点などを聞いた。


海外・帰国


見積もりは早めに

 日本への帰国引っ越しの際、業者に見積もりを頼む時期は、一般的に帰国の2~3カ月前とされる。見積もり時には荷物の量の確認、日程の打ち合わせ、サービス内容の説明などが行われる。ヤマト運輸USAの藤井豊文さんは「持って帰るものと処分するものを決め、業者に情報を全て伝えて相談することが、引っ越しをスムーズに行うコツです」と語る。

 引っ越しが決まったら、いらないものの処分から取り掛かろう。日本の住居は狭いので、米国サイズのベッド、ソファー、食器棚など大型家具は、持ち帰っても部屋に入らないことがある。また日本への持ち込みが禁止されている品物や、課税されるものもあるので注意が必要だ。化粧品や薬、コンタクトレンズなどは、持ち込める量に制限があるので、事前に業者に確認してから梱包(こんぽう)を始める。

 子供が学校で作った作品を持ち帰っても、飾るスペースがなく「結局は飾らずにしまい込むということが多いので、写真に撮ってデータ化し、作品は処分されることをおすすめしています」と藤井さん。

仕分け・梱包のコツ

 仕分け・梱包は部屋別にして、リストに部屋名と誰の何が入っているかを明確に書いておく。リストを作る際は、「雑貨」ではなく、具体的に「台所用品」などと書いておくと、後で見つけやすい。特に日本到着後すぐに必要なものは、箱の中身を把握できるリスト作りをしておきたい。

 荷造りは、重いものを箱の底に、軽いものは上の方に詰めていくのが鉄則。品物の間に隙間ができたら、洋服やタオルなどを緩衝材として利用するのがコツ。ただ、食器など梱包に自信がないものは業者に頼んだ方が無難だ。

船便と航空便

 荷物は船便、航空便、機内持ち込み手荷物に分ける。日本へ船便は1カ月半~2カ月、航空便は約1週間かかる。

 船便第1便では、食器棚や本棚などの収納用の家具、季節外れの衣類、本などを帰国の1カ月〜1カ月半前に出す。当地で最後まで使うものは、船便第2便と航空便に分け、2、3日〜1週間前に発送する。

 船便第2便はすぐに必要としないものを入れる。航空便の到着は、帰国日の約2〜3日後が目安。


引っ越し当日&帰国日

 引っ越し当日には、手荷物と業者に持っていってもらうものを、分けておくこと。鍵、財布、携帯電話、パスポートなどの貴重品は自分でしっかり管理しよう。

 帰国日には、飛行機内で配られる「携帯品・別送品申告書」を2枚受け取り、2枚とも同じ内容で記入。別送品の個数は手荷物以外の日本へ発送するもの全てに該当する。

 空港に到着したら1枚は税関が保有、もう1枚は返却されるので、必ず税関のスタンプが押されているか確認した上で受け取り、空港の引っ越し業者のカウンターに渡すか、業者に送付しよう。この申告書が、船便や航空便到着時の通関手続きで必要となるので、絶対に忘れないこと。

監修
藤井豊文さん
Yamato Transport U.S.A.
www.yamatoamerica.com


市内・近距離


業者を選ぶ

 「3月から9月の終わりまでが、引っ越しの増えるシーズン。特に毎月15日と30日が混み合います」と話すのは、エーコ―ムービングの内藤詠子さん。

 搬出入日にエレベーターの予約が取れなければ、日程の再調整が必要になることもあるため、今住んでいる家、引っ越し先の家の双方のエレベーターの空き状況を確認しながら、予定日の3~4週間前からプランを立て始めるのがよい。

 業者を選ぶ際の注意点は家まで見積もりに来てもらうこと。荷物が少ないからと見積もりを電話で済ませる人もいるが、引っ越し当日になって追加の荷物が出てきて追加料金を要求されることがある。

 建物によっては、荷物の搬出入時に建物の床や壁などを傷付けてしまったときに備え、「Liability Insur- ance(賠償責任保険)」の加入が義務付けられているので確認を。ドアマンがいるようなコンドミニアムやコープは、保険の加入が義務付けられていることが多いため、その際は保険に加入している業者を選ぶ必要がある。

荷造りの方法

 持っていくものと処分するものを決めておくと、業者が正確な見積りができる。料金体系には、かかった時間分だけ払う「時間制」と、荷物の量や搬送距離で一律料金を課す「フラットレート」がある。時間制はマンハッタン内だと、建物の近くにトラックを停められなかったり、エレベーターの予約が重なり、使えなかったりと、思わぬ時間がかかると、料金が高くなるので注意したい。

 荷造りは、重いものは小さな箱に、服などの軽いものは大きな箱に入れるのが梱包のコツ。箱を重ねると下の箱が重みでつぶれることがあるので、詰めた物と物との隙間には、丸めた紙などをしっかりと詰めておくこと。また本などの重いものは、箱を持ち上げたときに重さで底が抜けることがある。詰め始める前に、段ボール箱の底をテープで補強しておくこと。底の中心部に最も圧力がかかるので、テープを十字張りにするのがポイントだ。

 箱の外には、後で分からなくならないように、「子供の冬服」など何を入れたか明記しておくこと。また、どの部屋に運んで欲しいかを明記し、割れ物を入れた箱には「FRAGILE」と大きな字で書くのも忘れずに。家具にはどの部屋に運んで欲しいかを紙に書いてのせておくと、当日の作業がスムーズだ。

当日の作業

 引っ越し当日は業者に運んでもらうものと、自分で持って行く手荷物が混同しないよう分けておく。ケーブルテレビの接続を同日中に済ませたい場合は、引っ越し作業が済んだ夕方ごろ予約するとよい。搬出、搬入共に立ち会う必要があるので、子供はベビーシッターに預けるなどしておいた方が、作業の邪魔にならず、けがの心配もない。

 入居時に支払ったセキュリティーデポジットが戻ってくるかどうかがは、出ていった後の部屋の状態で決まるので、掃除機は最後まで手元に置き、空になった部屋をきれいにしておくこと。また完了したら、引っ越し業者1人につき20ドルくらいのチップを渡そう。

監修
内藤詠子さん
A-co Moving
222 W. 72nd St., # 2B
TEL: 212-595-2874
info@a-comoving.com
a-comoving.com




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