2018/11/02発行 ジャピオン991号掲載記事

特別インタビュー
ロックバンドが見る「アメリカ」
アジアン・カンフー・ジェネレーション

4人組ロックバンド、アジアン・カンフー・ジェネレーションが、新アルバム制作のためにニューヨークに滞在した。そこでジャピオンが、ボーカル&ギターの後藤正文とドラムの伊地知潔を直撃! 音楽のこと、アメリカのことを語ってもらった。

ベスト盤を除くと、3年振りのアルバムですね。

後藤 3年半前にロサンゼルスのスタジオでレコーディングをしました。アメリカはロックの長い歴史があるから、すごくいい音をコントロールするのが上手で、色々な知見や知識、経験がスタジオに残っていて驚きました。

帰国してから、今度は日本でどうロックンロールを録音しようかというトライアル期間が、この3年半です。色々な探求があって、すごく充実していたと思います。

伊地知 いやあ、長かったですね。方向性も作りながら見えてきて、最終的にこう来たか! と。今回はリズム体(ベースとドラム)の音量が今までになく大きいので、その辺も聞いていただきたいです。

後藤さんの、等身大の日本語歌詞に定評があるバンドです。

後藤「ホームタウン」という名前のアルバムですが、アメリカで長く暮らしている人にとって、日本で暮らしている僕たちの歌詞や音楽は、ノスタルジックに感じるかもしれませんね。年齢問わず、自由に感じて、楽しんでもらえればと思います。

ニューヨークでの作品制作は初めてですか?

後藤 2010年のアルバム「マジックディスク」のレコーディングでニューヨークに来ました。2年前にもシングルの再録盤のマスタリング(音源の最終調整)をしにメンバーが来ましたが、僕は来れなくて。

今回のアルバムはグレック・カルビにマスタリングしてもらいました。デビット・ボウイのアルバムなどをマスタリングした大御所。2年前も依頼したんですけど、今回僕は初めて会いました。すごくスイートな人でした。

作業以外の空き時間は何を?

後藤 今回ミッドタウンに泊まっているので、少しあの辺りを歩きました。楽器店街があったんですけど、ごっそり丸ごと別の場所に移転していて驚きました。

伊地知 最初に来たときはフェリーに乗って自由の女神を見たり、満喫したんですけど、今回の滞在はまだですね。

アメリカでは初のライブを昨年ロサンゼルスで開催しました。

後藤 約2000人収容する会場でチケットが売り切れたので、そんなにファンがいることにびっくりしたというか、うれしかったですね。割と現地の人も多かったので驚きました。

基本的に、日本以外の国は全部、ファンが「フィジカル」に楽しんでくれます。なので帰国直後の日本のライブは、「僕たち、本当は人気ないのかな」って思うくらい、オーディエンスが静かに感じてしまって(笑)。よく海外のミュージシャンが「日本の観客は静かに聞いてくれてうれしい」ってインタビューで言うけど、嘘だ、そんなことは絶対思ってないはずだ(笑)。

ニューヨークでのライブはいつでしょう?
後藤 近い将来、できたらいいですね。

皆さんは社会情勢など、音楽以外のトピックでも積極的に発言している印象があります。

後藤 やっぱりアートやミュージックの表現は(社会から)切り離せない。何らかのアクションをしなきゃと思ってたんですけど、決定的だったのは11年の東日本大震災。もっと積極的に関わっていかないと、社会が良くならないのを痛感しました。

僕が歳を取ったというのもありますね。今41歳ですが、40代になってまで、社会に対して一言も発せないのは、はっきり言って恥ずかしいことだと思う。一人の社会人として、思ったことは発する。ただ影響力は少しあるので、発言には注意しています。よく考えてからしゃべる(笑)。

現在のアメリカは、どう見ていますか?

後藤 僕は若いときから、アメリカは進んでいて良い国だという、ある種のリスペクトがあったんですけど…最近は考えますね。いろいろあるんだろうな、って。でもテイラー・スウィフトが投票についてコメントしたりと、意識が高い人が多く立ち上がるところは、見習いたいです。

今気になるアメリカのアーティストは?

後藤 チャンス・ザ・ラッパー。彼の音楽はすごく前向きでハッピーな気持ちになれる。すてきだなと思っています。

伊地知 僕はインストルメンタルのバンドもやってるんですけど、アメリカにもかっこいいインストバンドが多くいるんですよね。「チョン(CHON)」のライブが見たいな。

後藤 コーチェラ・フェスティバルとかも出たいよね。でも、もういい歳こいてきたんで、ニューヨークにコンスタントに来れるだけ、うれしいところもありますね。全てのバンドができることではないと思うから。

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ASIAN KUNG-FU GENERATION
(左から)伊地知潔(Dr.)、後藤正文(Vo.&G.)
1996年に横浜で結成。2003年にアルバム「崩壊アンプリファー」でメジャーデビュー。04年のアルバム「ソルファ」がオリコン初登場1位を記録。昨年、バンド初のアメリカ公演をロサンゼルスで開催。今年はベストアルバム第2弾と、シングル「ボーイズ&ガールズ」をリリースした。www.asiankung-fu.com

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親交のあるニューヨークのアーティストを聞くと、「ロックバンドの『アッシュ』や『ナダ・サーフ』、あと坂本龍一さんとか。今回はみんなニューヨークにいないんですけどね」と後藤さん

2018.12.5 Release!
New Album 「ホームタウン」
アニメ映画「夜は短し歩けよ乙女」の主題歌「荒野を歩け」の他、先行シングル「ボーイズ&ガールズ」を含む、計10曲を収録。初回生産限定盤には新曲を含む5曲を収録したCD「Can’t Sleep EP」とDVD付き。

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