2019/04/05発行 ジャピオン1012号掲載記事

特別インタビュー
オリジナル絵画を展示
アートエキスポNYへの思い

野性爆弾・くっきー

独特のセンスとひらめきで人気を博し、日本のお笑い界で引っ張りだこの、お笑いコンビ「野性爆弾」のくっきーさん。実はアーティストとしても活動しており、今回、ニューヨークで4日間開催される「アートエキスポNY」で初の作品出展が決定した。そんなくっきーさんに、アートへかける思いと作品の世界観、そしてエキスポへの意気込みを聞いた。

独特の感性と着眼点で練られたネタを披露し、観客を笑いに導く、お笑いコンビ「野性爆弾」のくっきーさん。まさに爆弾のようなスリルと威力を持つ自身の芸風を、くっきーさんは「蟲(ムシ)と同等の人間の、憎悪と憧れの言霊」だと語る。

2010年代から徐々にブレイクし、昨年のCM契約本数は10本、出演したテレビ番組本数は300本を超えた。今や、メディアで見掛けない日はないほどの人気者だ。

そんな彼が、昔からずっと絵画制作を続けていることは、あまり知られていないかもしれない。

「小さいころから絵を描くのは大好きでした」とくっきーさん。「兄が絵上手で、自分も負けじと絵を描いていたんです」。

画家名は「肉糞太郎」。大胆な響きを持つ「肉糞(ぐそ)」とは、肉体を作るために食べ、出した排せつ物が土に帰って生命を生み出すという、「自然の摂理を含んだ『人間』」を表した言葉なのだとか。

我流で描く「バケモノ」

制作で使うのは、アクリル絵の具と油性マジック。技法を学んだ画家も、感化された作品も「特にない」そうで、くっきーさんは文字通り、我流で作品を作り続けてきた。

今回、ニューヨークで展示するのは、「肉糞乙女」という絵画シリーズ。どこかくっきーさんに似た、眼力のある男性が、可憐(かれん)なバラに囲まれているという、どこかアンバランスで不思議な魅力を持った作品だ。

今作のアーティストステートメントで、くっきーさんは、「私は『バケモノ』の代表」とつづっている。

「私のような容姿でも、生きている限り『KAWAII』を装って生きる権利がある。誰にでもある『OTOME』な部分を、表に出せない人たちへのための作品」

今回ジャピオンがその真意を探ろうと問い掛けたが、くっきーさんは「考えないで、感じないで。アートなんてそれでいい」と、力強く語った。

世界の大舞台で勝負

ニューヨークでの展示場所は、「アートエキスポ・ニューヨーク」。今年で開催41年目を迎える伝統ある美術展覧会で、世界中から400人以上のアーティスト、1000人以上の業界関係者が参加。国際レベルの現代アートが一堂に会する、大規模なイベントだ。アーティストの国際的な活躍を支援する、一般社団法人アートレイツからのオファーで、くっきーさんの参加が決まったという。

くっきーさんは今回の出展を、「私が上がっていくための階段の一部」と語った。

「アートエキスポは30段飛ばしほどの、人生で最も偉大なもの(階段)となろう、です」

では、その先のゴールは? くっきーさんは、「ないです」ときっぱり。

「ずずずいずい、と進み続けるのみ。あえていうなら、『死した時、我完成したり』です」

ニューヨークでの野望

くっきーさんが「生きている街」と表現する、ニューヨーク。滞在中の予定に関しては、「ハンバーガーが好きなんだ、腹いっぱい食べたいんだ! ポテトとコーラもいただきます!」と、にっこり。

「芸人としても、いつかアメリカ進出、いいですね。もしニューヨークでやるなら、日本の伝統、水芸を披露したいです」

どこまでも不思議なこのテンションと感性が、お笑いでも、アートでも、人々の心をつかんで離さない。

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くっきー/肉糞太郎■お笑い芸人、アーティスト。滋賀県出身。1994年に吉本総合芸能学院(NSC)大阪校に入所、コンビ「野性爆弾」を結成。2018年10月に、渋谷ファッションウイークのメインキャラクターに就任。今月、作品集「Cookism」(美術出版社)を出版予定。yoshimoto.co.jp

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Artexpo New York
4月5日(金)〜7日(日)Pier 90
711 12th Ave. (bet. 52nd & 54th Sts.)
artexponewyork.com

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