2017/06/23発行 ジャピオン921号掲載記事

誰にでもできる人生の経済計画
ファイナンシャル・アドバイザーは必要?

自分はお金持ちではないから、計画は必要ないと考えがちなのが資産運用。しかし、子供の学費や老後の生活のための貯蓄などは誰もが突き当たる問題だ。ここではインディペンデントのアドバイザー、比嘉啓子さんに、ファイナンシャルアドバイザーに相談するメリットを聞いた。

ファイナンシャル・アドバイザーに相談する最大のメリットとは?

一言で言うと、保険・年金・投資などの、何万とある金融商品の中から、自分にとってベストな商品を探してもらえることです。ここで強調したいのは、相談するならインディペンデントのファイナンシャル・アドバイザーを選んでほしいということです。同じアドバイザーでも、ある金融企業に属している場合、自社の商品しか紹介できません。インディペンデントなら、あらゆる金融企業が提供する全ての商品を平等・公正に評価し、個々の顧客のニーズに最も適した商品を紹介します。

 インディペンデントのアドバイザーは、その人の年齢や収入、家族構成、将来への不安やゴールといった要素を聞き、それらを全て考慮し、広範囲な視野の基に、人生の「全体計画」を立てます。その上で、さまざまな金融機関が提供する多種多様な金融商品の中から、その人のニーズに合った商品を選びます。年々新しい金融商品が出てくるので、常にリサーチし、アンテナを張っています。

特に高額所得者ではないのに、ファイナンシャル・アドバイザーが必要でしょうか?また相談費用はどのくらいかかりますか?

高額所得者でなくても、相談するメリットはあります。一般の人が、どのように将来のために計画を立てられるかを提案するのが、アドバイザーの仕事です。

 ベーシックなケースなら相談料もかかりません。約1時間のコンサルテーションの後、仮に、ある金融商品を購入していただいたとしたら、アドバイザーへの手数料は商品購入の代金に含まれ、別途かかることはありません。

 かなりの資産がある人で、税金対策や、高額投資口座の運営が必要な場合は、運用例などの詳細なデータを数字やグラフにして、綿密なファイナンシャルプランを作ります。この場合は、プラン作成に対する手数料が発生します。

 一般の方が、子供の学費プランや老後の年金プランを相談に来られるような場合は、手数料は発生しませんので、気軽にファイナンシャル・アドバイザーを利用していただきたいです。

 ただ、中には1時間いくらの相談料を別途取るアドバイザーもいるので、相談する前に確認することをお勧めします。

コンサルテーションの内容や必要な頻度について教えてください。

私たちが「ディスカバリー・ミーティング」と呼ぶ、最初のコンサルテーションでは、まずその人の経済的な目標、ゴールを決めてもらいます。特に関心があること、心配事についても聞きます。その次に、年齢、年収・出費状況(住宅ローンの有無・金額など)、保険の有無といった現状を聞きます。それらを基に、節税計画も含めて全体計画を立て、実行し、リビューしていきます。われわれと顧客はそれを繰り返していくことで、顧客の経済的な目標達成を目指します。

 コンサルテーションでまず説明するのは、上記のピラミッドです。一番下の基盤は「プロテクション」。最も大事なのは障害保険(働けなくなったときの収入の確保)、次に生命保険(自分が死亡したときに家族が困らないように)などの各種保険。この基盤を固めて初めて、次の貯蓄や投資(子供の学資保険なども含めて)を考え、その上で年金などのリタイアメント計画へと移れるわけです。こうした、人生の経済設計の中で大事なポイントをお教えします。

 相談の頻度はケースバイケースですが、通常、人生の節目には何らかの経済的な見直しが必要になるでしょう。結婚、離婚、出産、親の他界などです。特に大きな変化はなくても、思い付いたときが吉日です。

どんな相談が多いですか?

老後の不安を抱える人は多いです。われわれは、メディケアなどの公的年金も含めて把握しているので、そうした基礎的なアドバイスもしますし、民間企業の年金商品も合わせて、個々のニーズ、状況に合ったリタイアメントプランを作ります。

 皆さん驚かれるのは、メディケアが介護費用を一切カバーしないことです。英語で「ロングタームケア」と言われるものです。そうなると、別途介護保険(ロングタームケア・インシュアランス)に入る必要があります。これも、加入する年齢で掛け金は変わってきます。顧客の年齢によって、適切な商品をご紹介しますが、高齢者で「もう遅い」と思っている人も、まだ遅くはありません。新しい金融商品が登場しています。

新しい金融商品には、例えばどんなものがありますか?

元金が保証された、生命保険と介護保険が組み合わさった新商品があります。ミニマム2万5000ドルから購入でき、購入した瞬間から、元金の約3倍の額が介護保険として無課税で支給されます。購入者が死亡した場合は、元金の約2倍の額が生命保険として受取人に支給されます。

 そのほか、積立型生命保険の中には、慢性疾患の治療や介護費用のために、生きている間に本人が「前借り」できるものがあります。例を挙げると、40歳で50万ドルの生命保険プラン(月々の掛け金500ドル)に入った場合、65歳になったら毎月7000ドルを慢性疾患の治療や介護費用として「前借り」することができます。または、がんなどで医師から余命宣告された場合、40万ドルを「前借り」し、自分のために使うことができます。

 そのほか、左の図に一般の方のファイナンシャルプランの例を挙げてみました。自分では調べきれない数と種類の金融商品を、ファイナンシャル・アドバイザーは把握し、常にリサーチしています。今の小さな相談が、将来大きな助けになるかもしれません。

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比嘉啓子さん
■ユタ大学卒業、ニューヘブン大学で経営修士号(MBA)取得後、外国為替トレーダー/投資顧問会社で会計担当。その間ニューヨーク州と連邦の証券取引免許取得。2000年AXAアドバイザーズでコンサルタント。09年からインディペンデント・ファイナンシャルアドバイザーの会社に所属。個人・法人の投資計画、年金計画、公的年金、遺産運用、遺産相続計画、各種保険計画、介護・障害保険などを手掛ける。


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ファイナンシャル・プランニングのピラミッド

今回のケーススタディー

実際に相談が多いケースを取り上げ、それぞれに対してのアドバイスを紹介する。

ケース1 介護つき積立型生命保険

【顧客】キャリアのある60代半ばの独身女性で、年収は約7万ドル。現在、貯金を預けている普通預金の金利が低いので、より効率のいい資金運用法と人生の経済設計を考えたい。

【アドバイス】介護、大病などの追加特典がついた生命保険の購入を提案。メディケアの介護保険では数十日しかカバーされず、単独の介護保険は掛け捨てだが、介護付き生命保険は介護、大病に使わなければ、死亡した場合は遺族は無課税で相続できる。積立型の場合、10万ドルの保障で月額の支払いが699ドルと高額だが、85歳時には積立金が11万7000ドルと支払い以上になる見込みがある。相談時、銀行に一つ、証券会社に三つ、IRA個人年金を開設していたが、一つにまとめ、年金(Annuity)を購入。31万ドルを入金したため、65歳から生涯にわたり毎月1524ドルを受け取ることになった。さらに証券会社の口座を開設し、ニューヨーク州の債権を購入。年利5.75%の利子は非課税の収入となる。さらにコンエディソン社が発行するボンド(格付けA以上)約11万ドル分を購入。年間5750ドルの利子が非課税で収入となった。

ケース2 特殊なケース「孫のための生命保険」

【顧客】孫が生まれた。経済的には余裕がある。遺産相続税を考え、今から相続額を減らし、非課税で孫に貯蓄したい。

【アドバイス】「A lifetime Gift and Legacy」という、孫のための生命保険プランがある。アメリカでは1人年間1万4000ドルまで非課税で贈与できるので、この老夫婦は2人分の2万8000ドルでこのプランを購入。続く15年間、毎年この金額を追加。16年目以降は一切追加入金していない。現在の配当率で見積もると15年目の時点で、キャッシュバリューは約49万ドルに、生命保険額は500万ドル強に。この子供は、18〜21歳の4年間、毎年5万ドル(合計20万ドル)を学費のために、その後30歳でマイホーム購入の頭金に25万ドルを引き出した。その後は一切引き出さなかった場合、66歳から80歳まで、毎年50万ドルを引き出しても、80歳の時点でのキャッシュバリューは200万ドル近く、生命保険額は700万ドル近くなる。この孫が死亡したら、残額はそのまま、子供や孫が引き継ぐことができる。

ケース3 個人年金(IRA口座開設)

【顧客】子供がいない30代前半の夫婦。共働きで合計年収は14万ドル。会社から401kなどの年金制度の提供がなく、将来や老後を考え、個人年金を利用し経済設計を始めたい。

【アドバイス】将来(子供ができた後)を考え、積立型や介護、大病など追加特典がついた生命保険の購入がニーズに合っていると提案。各10万ドルの額面で夫の支払いが月80ドルで、妻の支払いが72ドルの場合、65歳になった際、積立金がそれぞれ5万691ドル、4万3900ドルとなると算出した。各自IRA(個人年金)口座を証券会社で開設し、入金最高額5500ドルを投資。夫は好きなフェイスブックの株を、妻はアメリカ大型株とボンドのバランスファンドを購入した。

ケース4 個人年金(年金プラン保険)

【顧客】55歳の共働きの夫婦。合計年収15万ドル。子供も独立。まだ働くので、10万ドルの貯金を老後のために投資したい。

【アドバイス】50歳くらいからできる個人年金保険プランがある。利点は、口座の金額が市場によって増減する投資と異なり、市場がクラッシュしても積み立てた掛け金とそれに加算される利子額が減らないこと。年金として生涯に分けて引き出す分には、安全なプラン。年金基本金は、市場に関係なく毎年確実に上がる。利率も7%と高い。勧めたプランは、1万ドルくらいから入れるプランで、10年後から一定金額が年金として、「一生」支払われるというもの。夫婦は10万ドルを入金。その後、追加入金してもいいし、しなくてもいい。10万ドルを入金した場合、2人が65歳になった時点で、一生涯、最低年間8747ドル(2人で)が支給される。1人が死亡した場合も、同じ金額を残った1人が受け取れる。ソーシャルセキュリティーも一生涯もらえるが、それでは不十分なので、こうした民間保険会社の年金プランで補充する。解約も自由。市場が上がれば、受給額も上がる。示した数字は、最低の受け取り金額。63歳(1人)で入金し、73歳で年間1万2180ドルの支給を一生受けるプランに入った例もある。

個人向けリタイアメントプラン(年金計画セミナー)

NY会場

7月30日(日)3pm~(1時間)《無料》

NJ会場

7月31日(月)7pm~(1時間)

《施設料1人10ドル》


誰にでもできる個人年金について。税金対策用年金、投資型や保証型の年金、自分に合った年金の見つけ方などについて詳しく解説します。


NJ会場: Japan Center of NJ 734 Grand Ave., Ridgefield, NJ 07657
NY会場: Dipaola Financial Group 60 E. 42nd St., Suite 1050
(bet. Park & Madison Aves.)

企業のための年金と医療保険セミナー

NY会場

9月15日(金)2pm~(2時間)《無料》

【対象】ビジネスオーナー、福利厚生担当者、CPAなど。

企業ができる年金と医療保険の種類と規定について基礎から解説します。代表的な401Kプランの他、中小企業向け年金プランSEPは最高25%の税控除が可能です。また雇用主の維持費がほぼないSIMPLEプランや、重役のみに与えられるベネフィット控除額が最大となるプランなど、使えば使うほど節税となるプランをご紹介します。会社にとって大きな節税となり、大切な従業員と経営者ともにベネフィットとなるプランを紹介します。自社に適したプランの選び方、選ぶ時の注意点などを詳しく解説します。


NY会場: Dipaola Financial Group 60 E. 42nd St., Suite 1050 (bet. Park & Madison Aves.)

●問い合わせ、申し込み●
TEL: 212-682-9250 Ext. 408/917-449-9493(携帯)/freeseminar00@gmail.com

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