2014/10/31発行 ジャピオン786号掲載記事

知れば納得!米国子育て&教育事情

学習上の問題|⑤家庭教師からの不満

 今週は少し視点を変えて、家庭教師からの不満を取り上げます。


能力不足は自分のせい?

小学5年男子の家庭教師です。彼は在米4年目なのにまだESLに残され、学習もあまり伸びていません。先日、親から「やり方がまずいのでは?」と私自身への不満を言われ、ショックを受けています。

子供の能力や学習スタイルはそれぞれ違いますし、在米4年でもまだ英語で苦労している場合も多くあります。しかし親からすると、来年はミドルスクールで、周りの子らはもっと早くESLを抜けているのを見ています。そこから何とか前進するために家庭教師として雇われているので、期待をかけられるのはプロとして当然のことだと自覚しましょう。

 今一度、「この子に合った指導法とはどういったものか」と考えてみる必要があります。また彼の担任やESLの先生に家庭で何をどう強化するべきか、問い合わせてもよいと思います。

 もし彼が小学校低学年の時に、いい加減に耳から英語を覚えてしまった場合、基本がすっぽり抜けていることも考えられますので、全ての学習の根本となる「読み書き」は徹底的にたたき込むべきでしょう。文法も間違った時は、なぜそうなるのかと論理的に頭で理解させるのと、実際に使えるようになるまで強化する、といった方式が必要です。

通訳をさせられる

日本人家庭で、英語を教えています。毎回困るのですが、レッスン時間外に「こう言ってほしい」と何かの通訳を頼まれます。先週は家の修理人の相手をさせられました。どうすればいいですか。

これも日本人家庭教師からよく聞く悩みですが、筆者本人も経験があります。

 レッスン後に「○○店に電話をして、こう苦情を伝えて欲しい」「銀行からこんな通知が来たが、翻訳して欲しい」など、全く関係ないことを頼んでくる家庭もあります。日本人は文化的に「海外では日本人同士助け合って当然、英語ができるのだから手伝って」という発想もあり、気軽に頼んでしまいがちです。

 しかし通訳は労力も時間も掛かりますし、講師はボランティアではありません。実際、無料でこれを頼むのは相手に失礼に当たります。たまの4〜5分で済むならまだしも、頻繁に、しかも長く掛かるといったものは避けた方が良いでしょう。どうしても必要な場合は、最初からレッスンを短く終わって、時間内にそれをやってもらえるよう了解を得ておくのが妥当でしょう。

宿題も英語学習も要求される

家庭教師をしている子供の親から、「時間内に宿題と英語学習の両方をやって欲しい」と要求されました。しかし、宿題に重点を置いていて、英語学習までカバーできないことを理解してくれません。

料金を支払って講師を雇う親御さんからすると、宿題も英語もごちゃ混ぜに考えてしまい、あれもこれも向上させたいと期待しがちです。しかし家庭教師からすると、「同じ時間内で宿題もこなし、かつ本人の英語力も向上させて欲しいというのは非現実的な要求だ。宿題は宿題、英語のレッスンは英語のレッスン、と分けて考えて欲しい」というのが本音でしょう。
 実際、宿題はそれぞれの科目(英語で“contentarea”という)での内容を理解することが重要ですが、第二外国語としての英語の向上はESLの領域となり、全く違う内容になります。
 時間を長くして、どちらかに目的を絞り、もし宿題が早く終わったら文法をやるのも一つ。また宿題が多い日は宿題中心、あまりない日は英語学習を中心に、と設定しましょう。このコラムを参考に、再度親御さんにこれらの説明をして、協議してみてください。

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高橋純子先生

現地校コンサルタントKOMET代表。
著書に『アメリカ駐在 これで安心子どもの教育ナビ』がある。

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