2015/01/01発行 ジャピオン794号掲載記事

知れば納得!米国子育て&教育事情

成績表と面談|④面談での失敗

 今回は学校面談での失敗例を見ながら、効果的な話し方について考えましょう。


言いたいことが言えない

在米2年の11年生の娘は、宿題が期限までに提出できないことが多く、面談で先生と対策について話し合うはずでした。私も夫も英語は話せますが、緊張して〝YES〟〝OK〟しか言えず、情けない思いをしました。

学校面談は英語がよほど達者な人でない限り、「伝えたいことが伝わるか、先生の言っていることが全て理解できるか」と不安になりますね。ですが、相手の言うことに〝YES〟〝OK〟でしか応答できなかったというのは、実は英語力不足というより、日本人にありがちな「相手に合わせてしまう」「反論するのをためらう」「分かったふりをしてしまう」といった文化的背景も拍車を掛けていると思われます。

 これを防ぐためにも、面談前にこちらの要点を箇条書きで文章にしておくこと、またそれを先生に見せながら話してもよいのではないでしょうか。しかし重要な話し合いの場合、もしバイリンガルの家庭教師や通訳ができる人がいれば、報酬を支払ってでも同行してもらうべきでしょう。この場合、対等に議論できる、というのが最大のポイントになることを心得てください。


先生を怒らせてしまった

小5の息子は「授業が退屈」と言うので、面談で夫が“Ithinkyou need to improve your instruction”と言ってしまい、その途端に先生の表情が一変し、逆に「失礼だ」と言われてしまいました。

丁寧であるはずの日本人が、英語になると「失礼」な言い方をしてしまうケースは時々見られます。これは英語力不足もあり得ますが、日本の英会話クラスで「英語でものを言う時は、はっきり直接的に言わなくてはならない」と間違ったことを教わったからではないか、と分析されています。

 直接的か丁寧に言うかは状況と相手によって違いますし、英語でも遠回しや柔らかくする表現を日常的に使います。まして、相手が先生の場合、「教え方を向上させるべきではないかと思う」と言うと、まるで校長のような、かなり上から目線の発言と取られても当然です。言語はいくら会話ができても、どのような状況でどう使うかを習得していないと、社会では通用しません。

 ここは先生に「英語の使い方を間違い、失礼な言い方をしてしまった」「こちらの真意は、息子が興味を持つようなアクティビティーを取り入れていただけないか、とリクエストしたかった」と、謝罪と釈明のメールか手紙を送ることをお勧めします。


希望を拒否された

小1の息子は日本で自由を尊重する幼稚園に通い、私も「怒らない教育」を実践しています。しかし、現地校は案外ルールやマナーに厳しく、面談でもう少し柔軟にして欲しいと頼んだところ、拒否されました。

自由な幼稚園」「怒らない教育」などが日本の一部では流行っているようですが、伸び伸び育てる=マナーやルールを守らなくても良い、とはき違えないでください。アメリカの学校は、学習上での発想や創造性などは非常に柔軟ですが、マナーやルールは人間としての社会性に関係してくることなので、徹底的に教育します。また、暴力だけでなく、言葉の攻撃も罰の対象となります。

 このような基本事項で先生と敵対するのは間違いで、「マナーやルールについては、家庭でも気を付けるよう努力します」と伝えるべきです。日本もアメリカも子供中心の家庭は多いですが、だからと言って「子供至上主義」になってはよくありません。しつけで重要なところは押さえておき、日本人のお母さんにありがちな「子供のメイド状態」になっていないか、今一度、家庭教育を見直してみましょう。

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高橋純子先生

現地校コンサルタントKOMET代表。
著書に『アメリカ駐在 これで安心子どもの教育ナビ』がある。

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