2018/10/05発行 ジャピオン987号掲載記事

その5 バイリンガル育児 の原則―日本語と英語 のバランス

バイリンガル育児を成功させる秘訣は「母語が先で外国語は後」です。ここと言う母語とは「母親が一番自然に使える言葉」のことです。母親が日本生まれの日本人であれば日本語です。ご両親が異なる言葉を話す国際結婚家庭では、二つの言葉を母語として継承することが可能です。ただその場合でも母親の言葉を先に与えるのが原則です。

母親が子供に伝承する言葉は、将来の思考力はもちろん、情緒、性格、感性、アイデンティティなど、人間形成にも影響します。そもそも言葉は人と人の心をつなぐかけ橋として生まれたものです。母親が子供にかける言葉は、教育目的ではなく「愛情を伝えること」に重点を置いてください。

「かわいいね」「元気だね」「いい笑顔だね」「ママがそばにいるよ」「ママの宝物よ」「生まれてきてくれてありがとう」「◯◯ちゃんが笑うとママうれしいよ」そんな愛情あふれる言葉をたくさんかけてあげることによって親子の信頼関係が強固になります。

5歳までに日本語の読み書きを教える

母親がたくさん言葉を掛けて、歌いかけて、絵本を読み聞かせて育てると、2〜3歳頃には会話が成立するようになります。そうなったら日本語の文字に触れさせてください。「2〜3歳に文字を教えるのは早すぎる!」と思うかもしれませんが、バイリンガル育児を成功させるには早期文字教育は必須です。

アメリカでは子供が5歳になる年からキンダーガーテンで義務教育がスタートします。キンダーガーテンで子供は毎日6〜7時間英語漬けになります。子供の言語は環境に強い影響を受けますから、英語力がメキメキ伸びていく一方、日本語は停滞していくのです。

子供がキンダーに通い始めてから慌てて日本語を詰め込んでも学習がはかどりません。子供の気持ちを代弁すれば「学校で苦労している英語を身につけるのが先!」なのです。現地校に通い始めると、親との会話でしか使わない日本語学習に身が入らなくなるのです。

生の英語に触れさせる

このように日本語の重要性を強調すると、海外で生活しているにも関わらず英語を子供から完全にシャットアウトしようと躍起になるご両親がいます。外国語についてはあまり神経質にならず、生活する土地の主要言葉としてごく自然に受け入れてください。

日本で英語環境を作るのは大変ですが、海外で暮らしていれば、子供はいつでも生の英語に触れることができます。ご両親は積極的に親子教室、習い事、コミュニティーイベントなどに参加して、現地の子供たちと触れ合う機会を作ってあげてください。

子供の世界が家から外へと広がると、遊びや他者との関わりを通じて社会性が発達します。この時、日本人だけでなく、外国人とコミュニケーションをとることで子供は偏りのない価値観を身につけます。ご両親は勇気を持って現地コミュニティーに飛び込んでいきましょう。

日本語は家庭、英語は専門家のサポートを!

子供の英語習得を学校任せにしてはいけません。子供の努力だけで満足な英語力を身につけ、現地校の授業についていくことは簡単ではありません。ご両親は学校の先生との連携を密にして言葉の発達状況をモニターしてください。必要があれば、チューターや塾の助けを借りることも考慮しましょう。

日本語の維持についてはご両親のサポートが極めて重要になります。日本語での語り掛けと日本語の本の読み聞かせは必ず継続してください。また日本語の文字指導も現地校の学習の妨げにならない範囲で行ないましょう。現地校に通う子供の日本語学習は「細く長く継続すること」が大切です。

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