2018/09/07発行 ジャピオン983号掲載記事

その1 海外子育ての心構え―現地の言葉と文化を受け入れる

初めまして! この度、NYジャピオンさんの紙面をお借りしまして、グローバル子育てコラムを連載させていただくことになりました船津徹と申します。私は2001年に妻と一人息子の家族3人でアメリカに移住。現在はハワイとロサンゼルス、上海でバイリンガルの子どもをサポートする学習塾を経営しています。

アメリカに移住する前は幼児教育の権威、七田眞博士(しちだ式教育創始者)の元で英語教材の開発をしていました。日米で言語教育と子育て教育に携わってかれこれ25年になります。これまでに4000名を越えるバイリンガルたちを預かってきた私の経験が、戸惑いながら海外子育てをしているご両親のお役に少しでも立てば幸いです。

海外生活を子どもの
財産にする

祖国を離れ、海外で子育てをすることは、どのご両親にとっても簡単ではありません。言葉の壁に加え、身近に頼れる人も少なく、手探りの子育てをしている方が大半だと思います。しかし、海外生活を子どもが大きく成長できるチャンスと捉え、素晴らしい子育てを実践しておられるご両親もまた大勢いることを知ってください。

そのような方たちと接していますと、気楽な環境での子育てでないだけに、子どもを心から大切な存在として、大きな愛情で育てていると強く感じます。何ごともやすやすとできることには大きな価値はありません。考えに考え、行動に行動を重ねてやっと成功させたことにこそ貴重な価値が生まれます。

海外子育てほど、ご両親が、子どもに対する真の愛情と知恵と行動を要求され試されることはありません。期間限定で海外に住む方も、永住予定の方も、異文化での生活体験が子どもの生涯の財産となるように、家族一丸となって成長をサポートしてあげてください。

現地語を身につけさせる

海外子育て中のご両親に課せられる大仕事がバイリンガル教育です。英語圏であれ、中国語圏であれ、母国語に加えて、現地の主要言語を子どもに身につけさせることがご両親に要求されます。現地語を操り、現地の人とコミュニケーションがとれるようにしてあげることは、子どもの海外生活を楽しく、実り多き経験にするために不可欠です。

海外で子育てをするご両親にとって、子どもをバイリンガルに育てることは「選択」でなく「必須」なのです。ご両親によっては「日本語オンリー」で育てたいという方もいるでしょう。しかし「郷に入れば郷に従え」という言葉の通り、現地語や現地文化を否定するような子育ては、結果として、子どもの人間形成や価値観に偏りもたらすケースが多いことを知ってください。

多様性を受け入れる

子どもが海外生活で得られる最大の財産が「多様性」を皮膚感覚でとらえられることです。世の中には多様な文化や価値観がある。世界は異質なものから成り立っていて、文化や価値観に上下優劣はない。日本文化を大切にするのと同じように、異なる文化や価値観も尊重して受け入れる。

言葉にすると簡単そうなのですが、同質を好む日本で生活しながら子どもが「多様性」を身につけることは極めて難しいのです。しかし、日本から一歩外に出ればそこは多様な世界です。ご両親は、多様な世界、すなわち現地の言葉と文化を積極的に受け入れるという勇気ある選択をしていただきたいのです。

子どもは現地の人たちと触れ合い、親交を深める中で、グローバル人材にとって欠かせない「多様性」を自分の価値観として吸収していきます。今海外子育てをしている方に私からのお願いです。子どもをバイリンガルに育ててあげてください。現地の人と関わることで得られる気づきや発見は、グローバル時代を生きる子どもにとってかけがえのない財産となります。

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