食欲の秋。食事と一緒に味わいたいのは、やはり日本のお酒。ニューヨークで飲める日本酒・焼酎を厳選し、こだわりの原材料や製法、おすすめの飲み方、相性の良い料理、作り手の言葉を紹介する。
1980年代初め、日本では酒と言えば熱燗が主流で、冷やして飲むのは一般的ではなかった。蔵人6人からなる瀬戸内の小さな蔵元、「山縣本店」から「かほり」が誕生したのは、そんな中の82年。背後にあったのは、普段の食卓で気軽に楽しめ、日常をより豊かにしてくれる「日本のテーブルワイン」を作りたい、という思いだ。冷蔵庫で冷やして気軽に飲めて、香りも口当たりも良い「かほり」は、日本の冷酒ブームの先駆けとなり、96年には米国輸出も開始。白い霜がうっすらと降りたような美しい半透明のボトル、そして発音しやすい名前も奏功し、米国でも広く愛飲されるようになった。
原料は、60%まで磨いた地元山口県産の「西都の雫」。通常2度行われる火入れを省き、酒を生のまま貯蔵、瓶詰め直前に一度だけ火入れした生貯蔵酒だ。生酒風のフレッシュな香りを楽しむため、5℃まできりりと冷やして飲みたい。日本酒度+3、端麗であっさりした味わいは、白身魚や野菜などによく合う。
山縣本店杜氏以下、蔵人6人からなる山口県・徳山の蔵元です。1875年の創業当時から積み上げられた伝統と、酒の造り手としての誇りを持ち、地域の蔵元としての特性を発揮しながら、「人の心の充足」を何よりも重視した日本酒文化の創造と発信に取り組んでいます。
明治4年(1871年)創業の「あさ開(びらき)」は、全国新酒鑑評会にて2010年まで19回連続入賞、うち16回で金賞を受賞した日本有数の酒蔵。米と水にこだわる酒造りへの信念、そして大地の恵みへの感謝を込め、雨を司り豊穣をもたらす龍=水神を名に冠した酒が「水神」だ。
岩手で生まれた米「酒蔵好適米」を70%まで磨き、岩手の水で仕込んだ、正真正銘の地酒。日本酒度+10の超辛口だが、一口含むと、米本来のまろやかな旨みが龍のごとく力強く立ち上り、鋭いキレをもって豪快に駆け抜ける。米の持ち味とは何か、を今一度問い直す本物の純米酒だ。
8〜10℃の冷やでも良し、43〜48℃のぬる燗でも良し。味が濃く脂っこい肉/魚料理からシンプルなおつまみまで、さまざまな料理のお供に。和洋中どんな食事にも合いおいしさを引き立てる、懐の深い食中酒だ。主役はあくまで料理、決して前に出過ぎることはないのに、ないと「何か足りない」と思わされる――。岩手が生んだ〝名脇酒〟がここにある。
あさ開すべてのお客様の食の場における『喜び』『楽しみ』『くつろぎ』に貢献いたします。レストラン経営を通じ、和食以外でも日本酒を楽しめる場所作りに努めています。「お客様とのコミュニケーション日本一」の酒蔵を目指し、信頼関係を大事にし、オンライン販売にも注力しています。
豊かな自然に恵まれた南部の国。この地の蔵元「南部美人」は、今年の新ボトルラベルに描かれた蝶のごとく、「優雅で美しい酒」造りを目指している。「モンドセレクション」8年連続最高金賞、2006から5年連続で「全国新酒鑑評会」金賞など豊富な受賞歴の裏にあるのは、何より米へのこだわりだ。岩手県、酒造組合、岩手県工業技術センターが酒造りのために共同開発した「吟ぎんが」や「ぎんおとめ」を中心に、契約農家の有機栽培米のみを使用。折爪馬仙峡の伏流水を用い、南部流手造り技法で醸す。
08年「全米日本酒歓評会」にて金賞を受賞した「特別純米」は、55%まで精米した「ぎんおとめ」が原料。「夕張メロンの甘くやわらかい果肉をほお張ったよう」と評される、優しくふくらみのあるフルーティーな風味に、すっきりと軽妙な切れ味を併せ持つ。マグロやサーモンの握りなどの寿司や焼き鳥などを食しつつ、すいすいと楽しめる食中酒だ。おすすめは、10℃以下の冷やで。
南部美人「飲む人も造る人も笑顔溢れる、明るいお酒造り」そして「温故知新」を経営哲学とする蔵元です。古くからの伝統技術を、平均年齢30代の現スタッフが受け継ぎながら、若き情熱と力をもって革新を重ね、進化していくことを目指しています。
