2019/05/10発行 ジャピオン1017号掲載記事

スペシャリストに聞く

②購入前に知っておくこと

今月のテーマ:不動産購入

物件を購入する際は、ニューヨーク不動産市場の競争の激しさを理解することが重要だ。またコープかコンドミニアムかでは、購入できる物件や条件が大きく異なるので、確認しておこう。

日本人がニューヨークの物件を購入する際に必要な心構えは?

ニューヨークの不動産市場は常に変化しているため、情報収集を十分に行い、しっかりとした購入計画を立て、臨機応変に動くことが大切です。

例えば、現在のマーケットでは、値ごろ感のあるリセール(中古)物件には複数の入札が入ることも珍しくなく、その場合にはハイエスト・アンド・ベストと呼ばれるサイレントオークション形式で落札者が決定されます。

一般的に、モーゲージ(住宅ローン)の頭金は多いほうが有利になりますが、全額現金での購入は圧倒的に有利です。もし条件が許すようであれば、全額現金で購入してからローンを組むという方法も、よく使われます。

一方、マーケットに長期間残っている物件については、長期間売れずに残っている原因が必ずあります。そのためバイヤーズエージェントを通してしっかりと物件とセラーについて調査を行った上で、その物件の全体像を理解することが重要です。ある人にとってのデメリットが自分自身にとってのメリットになることもありますので、落とし穴が無いことを確認した上で、納得が行くまで粘り強く交渉を行い、判断することが大切です。

 

物件を見る時の注意点は?

まず、マーケットの第一線で売買を行っている経験豊かなエージェント(不動産ブローカー)を、自分自身のバイヤーズエージェントとして雇うことが大切です。ニューヨーク州では物件購入の責任が100%購入者にあることからも、「物件探しの前にエージェント探し」といわれるほど、経験と能力の高い不動産エージェントからの情報は貴重であり重要です。

また、初めてマイホーム探しをするときなどは、ついついインテリアなどを含めた物件の見た目に気持ちが行ってしまいがちですが、購入後に変更することができる部分だけではなく、ロケーション、構造、財務状況、ハウスルールなど、購入後に変更することができない部分にもしっかりと注意を払うことが重要です。

 

コンドミニアムとコープの違いは?

コンドミニアムは不動産(Real Property)ですが、コープは不動産ではありません。コープとはコーポラティブハウスのことですが、簡単にいうと、そのビルを所有している会社の株式を購入し、株主になることで、ビル内にある特定のユニットをリースして使用することができる権利を得るのがコープです。

コンドミニアムに比べて物件価格が安いことやクロージングの際のコストが低いのが魅力ですが、インベスターの購入を禁止しているビルが多いため、投資には向きません。またマイホームとして購入する場合でも、住宅ローンと収入の比率や、購入後の流動資産残に対するルールなどがある上、コープを管理するコープボードには購入を拒否する強い権限があります。このため、お金があるから買えるというわけでもなく、コンドミニアムよりも購入時の条件が厳しいのが一般的です。

ただ、そういった条件をクリアすれば、同じ条件のコンドよりも価格の低いコープは非常に魅力的な選択肢といえます。

一方、コンドミニアムはコープに比べて購入条件も緩やかであり、インベストメントとしての購入に対してもほとんど規制がありません。ただし、物件価格はコープよりもかなり高額となります。

〈おことわり〉
当社は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。

 

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松本哲夫

ニューヨーク州公認不動産エージェント。ニューヨーク市最大手不動産会社の一つ、コーコラングループに勤務し、マンハッタン、ブルックリン、クイーンズで年間20件以上の不動産の売却と購入を手掛ける。自身も不動産投資、大家業を行う、当地での不動産のプロフェッショナル。2児の父で、学校事情にも明るい。

Tetsuo Matsumoto, Licensed Real Estate Salesperson

TEL
914-374-7195
MAIL
ted.matsumoto@corcoran.com
WEB
http://nycfudosan.com/

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