2019/02/08発行 ジャピオン1005号掲載記事

スペシャリストに聞く

②スポンサー会社の条件

今月のテーマ:H1Bビザ

先週に続いて、一般的な就労ビザであるH1Bビザの基礎知識、またビザのスポンサーとなる会社の条件、ビザの有効期間や延長の方法など注意点などについて専門家に聞いた。

H1Bのスポンサーとなれる会社の条件は?

前回お話したように、H1Bビザは、アメリカにおいて「専門職」に就くために発給されるビザです。

そのため、スポンサーとなる会社は、アメリカにある会社で、学士号以上の学位、教育が必要とされる「専門職」を求めている会社であることが条件となります。

そしてスポンサーとなるために、「専門職」を必要としていることを証明しなくてはなりません。一般的には起業したばかりで実績が少ない会社や規模の小さい会社の場合、会社の経営状況や財務状況に関する書類を、大規模な会社よりも多く提出しなくてはならない傾向にあります。

 

当選しても、H1Bビザの取得は難しくなっていると聞きます。申請数の変動はありますか?

これまでに比べ、審査の規定が厳しくなっていることは確かです。

申請者の履修した学部、保持する学位と会社が提示する「専門職」との関連性、また「専門職」の業務自体の内容の詳細、さらにスポンサー会社がH1Bビザを申請してまで本当に雇用するべき「専門職」なのか、実際に会社が業務を通じて利益をきちんと上げているのかなど、証明に必要とされる書類の種類や追加で求められる書類の数は過去に比べて増えています。ですから、「H1Bの取得が厳しくなっている」と一般的には言われています。ただし、近年の状況をみても実際に申請数は減っていません。

なぜなら、審査の規定が厳しくなったとはいっても、求めに応じて事実関係をきちんと証明ができれば、ビザの取得は確実にできるからです。私たちの弁護士事務所では、そうした追加書類の提出が必要なケースを数多く扱っていますが、小規模の会社で申請する場合などでも、ほとんどで取得に至っています。

 

移民帰化局に支払う申請料金は?

移民帰化局へ支払うH1Bの申請料金は、ペイロールに入っている従業員数やビザ受給者の数によって異なります。

・請願書の申請料=460ドル
・詐欺防止調査料=500ドル
・職業訓練基金科(従業員数25人以下)=750ドル
・職業訓練基金料(従業員数26人以上)=1500ドル

そしてこの他、弁護士を雇う場合は別途弁護士費用がかかります。追加料金を支払うことで、申請のプロセスを早められる「プレミアム申請」というシステムがあります。プレミアム申請が可能かどうかは政府が2月末ぐらいに通知するので、今年はまだ実施が可能かどうかは分かりません。

 

H1Bビザの有効期限は?

H1Bビザの滞在資格期間は3年ですが、延長手続きを行えば合計6年まで期間を延長できます。

期限の1年以上前に会社がスポンサーとなって永住権の申請をした場合、永住権が取得できるまで、H1Bビザを無期限で延長することができます。永住権は申請から取得までに、通常数年かかるためです。

そのため6年以上アメリカでの就労を希望する場合は、申請時期を逃さないためにも早い段階で、永住権の取得の希望に関して、スポンサー会社と話をすることが重要です。

 

永住権申請中に、スポンサー会社が倒産したといった場合などはどうなりますか?

その際は速やかに新たなスポンサー会社を探し、似た業務に就くことが求められます。基本的には新しいスポンサー会社から、永住権申請を最初からやり直すことになります。ただし永住権申請の最終段階にあって、書類が受理されてペンディング期間に入り6カ月以上経っている場合は、自動的に新しいスポンサー会社にプロセスが移行するため、申請を最初からやり直す必要はありません。

〈おことわり〉
記事内容に関して当弁護士事務所は一切の責任を負いかねます。詳細は各弁護士にご相談ください。

 

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マシュー・コロジー弁護士

JIA Law Groupパートナー。企業、個人の就労ビザの取得、移民法を専門としている。ジョージ・ワシントン法科大卒業。ニューヨーク弁護士委員会(NYBA)、アメリカ移民法弁護士委員会などに所属。

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