2018/10/19発行 ジャピオン989号掲載記事

スペシャリストに聞く

③当選後の手続き

今月のテーマ:永住権

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

「永住権抽選プログラム」で当選後、大使館申請、またはステータス変更の方法で永住権申請を行わなければならない。それぞれの特徴と申請料金、弁護士を雇う際の料金の目安、面接の際の注意点などについて聞いた。


抽選で選ばれた後のプロセスについて教えてください。

抽選で選ばれた人は、優先日(Priority date)になったら手続きを始めてください。永住権申請手続きには「大使館申請(Consular Processing)」と「ステータス変更(Adjustment of Status)」の二つの方法があります。

【大使館申請】米国外在住の申請者を対象とした申請手続きです。申請フォームは「DS−260」を使用します。申請に必要な書類(第2回目で説明)を用意し、東京の米国大使館で行われる面接の際に、その書類のオリジナルとコピーを持参します。

【ステータス変更】合法的なビザステータスで米国内に居住する人が対象で、就労ビザや学生ビザなどの非移民ビザから永住権に変更するための申請手続きです。申請フォームは「I−485」を使用します。申請に必要な書類は国土安全保障省(Department of Homeland Security)に送付します。普通郵便で送ることもできますが、書留やFedexなどで送ると確実に書類が届いたかどうか確認できて安心です。

面接場所は、移民帰化局(USCIS)から、本人が居住する地域の最寄りの会場を知らせてきます。


どちらの方法が有利ですか?

米国内に居住している場合はどちらの申請方法も選択できますが、「ステータス変更」を選ぶことをお勧めします。「ステータス変更」のほうが手続きがスムーズに進むだけでなく、永住権が発給されるまでの間に、労働許可証や一時渡航許可証を取得することができるので有利です。


永住権申請にかかる費用について教えてください。

「大使館申請」の場合は、申請料金1人330ドル(指紋採取費用を含む)を米国大使館に支払います。一方、「ステータス変更」の場合の申請料金は、14歳以上は1人1225ドル(指紋採取費用を含む)、13歳以下は1人750ドルを移民帰化局に支払います。13歳以下は指紋採取が行われません。「大使館申請」、「ステータス変更」どちらの場合も、家族で申請する場合は永住権を申請する家族の人数分の申請料金を支払うことになります。永住権申請を弁護士に依頼する場合は、このほかに弁護士料金がかかります。


永住権申請に弁護士を雇った方がいいですか。また、その場合の料金は?

弁護士を雇わずに、自分で永住権申請手続きを行うことも可能ですが、「大使館申請」や「ステータス変更」の手続きは複雑です。また、大使館や帰化移民局に電話で問い合わせを行わなければならないこともあるので、弁護士を雇うことをお勧めします。ミスを回避し、申請手続きをスムーズに進めることができます。

永住権申請のための弁護士料金は、大使館申請の場合は2000ドル以下、ステータス変更の場合は1000〜1500ドルくらいを目安と考えるといいでしょう。ただし、各弁護士やケースにより料金は異なります。


面接を受ける際に注意すべきことは?

面接官がどのような質問をするのか気にする人が多いですが、最も重要なのは、面接の通知に記載してある書類をきちんと持参することです。書類が不備だと、面接官は最終的な承認を出すことができません。


面接に第三者に立ち会ってもらうことは可能ですか?

英語が十分に話せない場合、面接で通訳や弁護士が立ち会うことは可能です。

〈おことわり〉
当弁護士事務所は、記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。


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ピーター・トーベン・ジェンセン弁護士

コロンビア大学ロースクール卒業。大手法律事務所での勤務後、1996年にジェンセン&ジェンセン法律事務所を設立。非移民ビザや永住権申請、会社設立、雇用法、ビジネス、投資家の相談など、米国移民法に関連した幅広いニーズに対応。

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