2014/11/21発行 ジャピオン789号掲載記事

スペシャリストに聞く

③会社が払う税

今月のテーマ:企業会計の基礎知識

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

ビジネスを始めたらどのような税金を支払うのか、また、従業員を雇用した場合の雇用主の義務について聞きました。

 

デラウェア州やネバダ州で会社を設立すると、節税の面でメリットがあると聞きました。

デラウェア州やネバダ州などの一部の州では会社は州税が免除されています。しかし、これらの州で会社の登記を行っても、ビジネスを実際に行うのが別の場所、例えばニューヨーク州であれば、ニューヨーク州に州税を納めなければなりません。


業務開始に伴ない、支払う税金は?

会社には主に次のような税金が課せられます。
▷ペイロールタックス(給与税)=IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)と州、ニューヨーク市(ニューヨーク市に会社がある場合)に支払う。
▷セールスタックス=州に支払う。
▷コーポレート・タックス=IRS、州、ニューヨーク市(ニューヨーク市内に会社がある場合)に支払う税金。
▷失業保険=州に支払う。


従業員を雇用した場合、必要になる手続きなどについて教えてください。

従業員を雇った場合は、「Form I-9」「Form W4」を作成し、雇用契約書を毎年作成しなければなりません。
 これらの書類はきちんと保管し、労働省とIRSの査察が入ったときに、すぐ提示できるようにしておく必要があります。
 また、次のようなものを常備、また提示する必要があります。
▷タイムクロックを設置し、タイムカードを使用する。または、勤務時間のサインを受ける。
▷最低賃金以上を支給、残業の場合は通常賃金の1・5倍の残業代を支給する。1週または2週間ごとにペイロールレコードを作成する。
▷給与を支給する都度、従業員に給与明細を渡し、現金支給の場合は領収書を受け取る。

 これらの記録、書類は、すべて6年以上保管しなければなりません。


最低賃金とチップの扱いについて教えてください。

従業員の最低賃金は州ごとに異なり、ニューヨーク州は8ドル、ニュージャージー州は8ドル25セントなどとなっています。また、病院、ホテルの場合、雇用主は従業員に対してミールクレジットとして、1日2ドル50セント支給しなければなりません。

 また同州ではチップで働く従業員の最低賃金は、フードサービス業の場合1時間当たり5ドル、その他のサービス業の場合は5ドル65セントとなっています。 

 また、雇用主は最低賃金について解説したポスターを職場に貼っておかなければなりません。


チップに関して雇用主が知っておくべきことは何ですか。

チップを主な収入とする従業員は、同じ雇用主の下で働いたチップ収入が1カ月20ドルを越えた場合は、「Form4070」に記録し、翌月の10日までに雇用主に提出します。

 従業員自身は「Form 4070A」を記録して保管しておきます。「Form4070A」がない場合でも、チップ収入が証明できる書類を保管しておく必要があります。

 これを怠った場合は、従業員本人が税金を申告する際に「Form1040」と「Form4137」でIRSに報告しなければならなくなります。

 さらに雇用主に報告されなかったチップ収入に対しては、従業員本人が税金申告を行う際に、罰金として、50%のソーシャルセキュリティタックスとメディケアタックスが追加されます。

 〈おことわり〉
 当会計士事務所は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門の会計士にご相談ください。

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ジェームズ・ナム会計士

韓国の大学で会計と税を専攻し、卒業後8年間、韓国国内の会計事務所で業務を経験。その後、ニューヨーク市立大、ニューヨーク州立大で会計を専攻。卒業後、1987年から米国内会計事務所にて会計業務を経験し、2000年4月、現事務所を開業。

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