2018/04/20発行 ジャピオン963号掲載記事

スペシャリストに聞く

③購入時の注意点

今月のテーマ:不動産購入

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

ローンを組む際の月々の返済額の目安、不動産エージェントや弁護士の選び方のポイントについて確認しておこう。また、購入したい物件のあるエリアの情報や、その物件に隠れアセスメントがないかどうかも要チェックだそうだ。


物件購入を考えるタイミングは?

 一般的には、出産や子供の学校入学などを機に住居用の物件購入を考える人が多いようですが、新築・築浅物件の購入をお考えでしたら、現在市場に出ている、421Aタックスアベイトメント(ニューヨーク市が行っている不動産税の優遇政策)付きの物件がおすすめです。
 421Aタックスアベイトメント付きの物件は、建築後10〜25年間(物件により異なる)の減税措置があるのが大きな魅力です。新築にご興味があり、月々の支払い合計額を抑えたい人は、この421Aタックスアベイトメントが有効なうちにご購入を検討されてはいかがでしょう。


予算はどのように決めたらいいですか?

 予算を決める際には、ローンの月々の返済額をいくらにするかが重要ですが、DTI(debt-to- income ratio)を参考にするといいでしょう。DTIを出すには、月々のローン返済額を月々の収入で割ります。
 この値が40%以下になるように返済額を決定することが目安となります。月々の収入が5000ドルであれば、ひと月当たり最大2000ドルまで借りられることになります。
 ただし、コンドの場合、ローンの返済額には共益費は含まれません。
 予算を決定するにあたっては、頭金をいくらにするか、また、毎月いくらまで支払い可能かなど、銀行とご相談ください。


物件を見るときは、どのようなことに注意すればいいですか?

 物件価格や月々のメンテナンス費用だけでなく、隠れたアセスメントにも注意が必要です。例えば、アパートのビルの外壁を修復したり、古くなったボイラーを買い替える必要が出たときなどに、急にメンテナンス費用以外に負担を求められることがあります。
 特に古い物件の場合、内覧時にロビーや、エレベーター、外壁もチェックして修復の必要がないかどうか確認しましょう。
 公共事業や新たな建築物の建築予定などの情報を把握しておくことも大事です。セカンドアベニューラインの工事が行われているときは、ほこりや騒音に悩まされた人も多かったようです。こうした情報をチェックしておきましょう。
 その物件があるエリアの治安を調べることもできます。オンライン(www.famil ywatchdog.us)で、性犯罪歴がある人がどこに住んでいるかという情報も公開されているので、参考にするといいでしょう。


不動産エージェントや弁護士を選ぶ際のポイントは?

 アメリカでは不動産エージェントを決めるのはクライアントです。通常、不動産会社のウェブサイトにエージェントのプロフィールが掲載されているので、それを参考にしたり、物件購入の経験がある人に聞いたりして決めるといいでしょう。信頼できるエージェントを選ぶことが重要ですが、相性も大切です。合わないと思ったら、早めに他の人にかえることをおすすめします。
 不動産弁護士も、人に聞いたりエージェントに紹介してもらって、数人に当たってみるのもいい方法です。その際、選ぶ手間をいとわないことが大切です。
 例えば、細かい説明が多い弁護士と、そうでない割安な弁護士がいた場合、つい後者を選びたくなりますが、手間が掛かっても最初に細かい点を確認しておくことで、あとで「こんな経費を請求されるとは思わなかった」というようなトラブルを防ぐことができます。

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フィッセル知賀子さん

住友不動産販売NY法人部所属。日本で広告代理店に10年勤務の後、2011年からニューヨーク在住。ファッション雑誌「TWELV」副編集長を経て現職。自らのマイホーム購入経験を基に定期的に不動産セミナー開催。2才児の母。ロングアイランドシティー在住。

Sumitomo Real Estate sales NY Inc.

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