2018/04/13発行 ジャピオン962号掲載記事

スペシャリストに聞く

②購入手続き

今月のテーマ:不動産購入

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。


住居用物件の購入の流れは日米で大きく異なる。特に、ローンを組む場合は、まず、ビザやクレジットヒストリーなどの問題をクリアする必要がある。アメリカにおける物件購入の流れや手続きについて聞いた。

ニューヨークでの物件購入のプロセスを教えてください。

家は「一生に一度の買い物」などといわれますが、大きな買い物ですので、まず賃貸vs購入という視点から「決断すること」が大切です。並行して、予算を立てます。銀行でローンを組んで物件を購入する場合は、銀行と相談して「プレアプルーバル」を取得します。これにより、いくらくらいの物件を購入することができるか、予算を立てることができます。

プレアプルーバルの取得後、不動産会社を決め、エージェントのコンサルティングを受けつつ、予算に合った物件を実際に見ていきます。気に入った物件が見つかったら物件購入のオファーを提出し、オファーがアクセプトされ、売買交渉が成立したら、銀行で実際にローンの手続きを行います。

同時に弁護士に売買契約書を確認してもらい、売買契約にサインし、手付金として物件価格の10%を支払い、その物件の管理組合の承認が得られたら、物件の最終点検の後にクロージングとなり、物件の引き渡しを受けて、全ての手続きが完了します。

オファーを出してからクロージングまで、ローンを組む場合は通常2、3カ月を見ておくといいでしょう。

日本人が物件購入する際に知っておくべきこと、陥りがちな失敗は?

日本とアメリカでは、住宅物件購入の流れが大きく異なるので、まずそのことをよく理解する必要があります。日本では「宅地建物取引士」が不動産手続きの重要事項の説明から住宅ローン(モーゲージ)の手続きからクロージングまで、住宅物件購入の業務を全て行いますが、アメリカでは分業制で、 不動産会社のエージェントは物件探しを行います。

また、住宅物件の購入代金の他にも別途さまざまな費用がかかります。予算を立てるときは、権限保険料、弁護士費用、登記費用、初月管理費、マンション税(100万ドル以上の物件のみ)なども考慮することが必要です。新築物件の場合は州や市の譲渡税なども必要です。

ただし、一般的にニューヨークでは不動産仲介手数料は売り主が払うので、買う場合は不要です。

また、中古物件はよくないと思っている人もいらっしゃいますが、アメリカでは中古物件でも改修を行うことによって価値を高めることができます。これも、日本とは大きく異なるところです。

日本人がアメリカで住宅ローンを組む際の注意点は?

現金で購入する場合は必要ありませんが、ローンを組む場合は有効なレジデントのビザを持っていること、アメリカで収入があること、アメリカに銀行口座を持ち、クレジットヒストリーがあることなどいろいろな条件がありますので、詳しくは銀行、またはモーゲージ会社に相談してください。

コンドミニアムとコープの違いについて教えてください。

コンドミニアムは購入すると不動産の所有権を持つことができますが、コープは持株のようなものと考えるといいでしょう。一般的に物件価格はコープの方が割安ですが、賃貸・売買に制限があり、購入時に面接があるビルもあるのが一番大きな違いです。

コンドミニアムは自分の所有権があるので改築などが比較的容易で、テナントを入れて家賃収入を得ることも可能ですが、コープはキッチンの改築をしたいなどの場合に煩雑な管理組合の許可が必要だったり、将来投資物件として貸し出す場合に制限がある場合もあります。

961_spe_1

フィッセル知賀子さん

住友不動産販売NY法人部所属。日本で広告代理店に10年勤務の後、2011年からニューヨーク在住。ファッション雑誌「TWELV」副編集長を経て現職。自らのマイホーム購入経験を基に定期的に不動産セミナー開催。2才児の母。ロングアイランドシティー在住。

Sumitomo Real Estate sales NY Inc.

TEL
212-596-0800
WEB
http://www.sumitomo-ny.com
MAP
800 2nd Ave., Suite 300 (bet 42nd & 43rd Sts.)

バックナンバー

NYジャピオン 1分動画