2018/04/06発行 ジャピオン961号掲載記事

スペシャリストに聞く

①不動産の基礎知識

今月のテーマ:不動産購入

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。


今月はニューヨークで初めて住居用物件購入を考えるに当たって、必要な基礎知識について解説。まずは、エリアのそれぞれの特徴や、新築物件の特徴、421Aタックスアベイトメントなどについて専門家に聞いた。

ニューヨークの不動産市場の特徴について教えてください。

ニューヨークの不動産の特徴は、まず、価値が安定していることです。景気変動などで一次的に価格が下がっても、徐々に価格が回復する安定資産だと言えるでしょう。実際、昨年の物件価格は過去最高となっています。また、日本ですと中古物件は不動産価値が大きく下がりますが、ニューヨークでは中古物件でも価値が下がりにくく、リノベーションにより価値を高めることもできます。

さらに、ニューヨークという街の魅力や、最近ルーズベルト島に設立された「コーネルテック」(コーネル大学工学部のキャンパス)、ウェストハーレムのマンハッタンビルで建設中のコロンビア大学キャンパス拡張などに見られるように、人口が増加傾向であることも大きな利点です。世界中から人が集まるため、マンハッタン内に限れば空室率は、ここ最近の最高値でさえ2・7%(2017年9月時点)と非常に低く、貸す場合は比較的テナントがつきやすいことも大きな魅力です。

地域ごとの特徴を教えてください。

マンハッタンの物件がステータスと都会のライフスタイルを満喫させてくれるものである一方、ブルックリンやクイーンズの物件は生活を重視したい人に人気があります。一般的に価格がマンハッタンよりも2、3割程度低いため、手に入りやすいのが大きな魅力です。ただし、ブルックリンの人気エリア、パークスロープのように、近年物件価格が上がり、マンハッタンとほとんど変わらなくなった物件もあります。物件購入を考える際には、物件価格だけでなくコモンチャージ(共益・管理費)なども考慮することが大切です。マンハッタンの物件はドアマンの人件費や充実したサービスがある分コモンチャージが高く、固定資産税と合わせると1ベッドルーム(BR)の場合、毎月2500〜3500ドルくらいの支払いが発生しますが、ブルックリン、クイーンズでは、1BRで1000〜1500ドル程度です。

最近のニューヨークにおける不動産市場の動向について教えてください。

住居用物件は、マンハッタンですとドアマンがいるような大型ビルのコンドミニアムが中心です。ドアマンビルでは、フィットネスジム、プール、キッズルーム、ルーフトップ、ヨガルーム、バスケットルーム、最近ではポーカールーム、ワインセラーなどのアメニティー(設備・施設)が充実しています。また、単身者用スタジオ(ワンルーム)などの物件も多いのも、他の都市にはあまり見られない特徴です。
一方、ブルックリンのダウンタウンやクイーンズのロングアイランドシティーなどにも新しく大型の高級コンドミニアムが続々と建設されており、マンハッタンに住みたいが手が届かないという人に人気があります。
ニューヨークで不動産を購入するメリットはどのようなことですか?
現在、421Aタックスアベイトメント(ニューヨーク市が行っている不動産税の優遇政策)付きの住居用新築ビルが市場に出ています。この421Aタックスアベイトメント付きの物件は、建築後10〜25年間(物件により異なる)の減税措置があるのが魅力です。例を挙げると、通常年間2000ドルになる税金が421Aタックスアベイトメントにより、年間200〜300ドルになる物件もあります。新築物件をお探しの人は、この421Aタックスアベイトメントが有効なうちにご購入を検討されてはいかがでしょう。〈おことわり〉
当社は、記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。

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フィッセル知賀子さん

住友不動産販売NY法人部所属。日本で広告代理店に10年勤務の後、2011年からニューヨーク在住。ファッション雑誌「TWELV」副編集長を経て現職。自らのマイホーム購入経験を基に定期的に不動産セミナー開催。2才児の母。ロングアイランドシティー在住。

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