2018/02/02発行 ジャピオン952号掲載記事

スペシャリストに聞く

①就労ビザの現状

今月のテーマ:H1B以外の就労ビザ

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。


トランプ政権発足から1年。移民法の適用が厳しくなり、就労ビザの取得も難しくなると予想されていたが、従来と比べて、実際にどのような変化が起きているだろうか。専門家に話を聞いた。



ビザの取得が年々難しくなっており、トランプ政権発足後、さらに取得が難しくなるだろうといわれていました。新政権が発足して1年たった今、どのような変化が見られますか?

 新政権が発足したとき、ビザ取得のための条件や審査がさらに厳しくなったり、ビザの発給数が減らされるようなことが起こると予想されていましたが、実際に2017年の後半からビザの審査が厳しくなっています。移民法自体は変わっていませんが、法律の解釈や 審査基準が変わったため、ビザや永住権が取得しにくくなったのです。

 中でも一番取得が難しくなったのがH1Bビザです。一例を挙げると、それまで専門職としてH1Bビザの発給が認められていた職種が、昨年後半からは専門職とは認められないと判断されるようになりました。「H1Bビザは大学卒業の学位が必要な専門職に与えられる」という法律に変更はありませんが、審査基準が変わったために、例えばコンピュータープログラマーは専門職とは認められないと判断されるようになりました。

 他にも、従来はH1Bビザが取得できていた職種で、審査基準の変更により取得が難しくなった職種がいくつかあります。



ビザの却下される割合の変化は?

 2016年後半と2017年後半を比べると、H1Bビザ申請の却下率は2倍以上、追加書類要請件数はに増えています。



ビザの更新や滞在期限の延長も厳しくなっているそうですね。

 昨年10月に発表されたメモによると、ビザの更新や延長の場合も、新規のビザ申請として新たに審査されることになりました。

 例えば、H1Bビザをある会社で取得し、3年働いて更新するというようなケースでは、従来は大きな変更がない限り特に問題なく延長できたのですが、審査が厳しくなっているので、今後は認められなくなる可能性があります。



H1Bの申請と並行して他のビザを申請するなど、複数のビザを同時に申請することは可能ですか?

 申請方法にもよりますが、複数のビザを並行して申請することは可能です。ただし、H1Bの抽選で選ばれる可能性を高めるために、同じ申請者が同じH1Bの申請を何度も行うことはできません。これは詐欺行為と見なされます。



H1Bに代わる就労ビザにはどのような選択肢がありますか?

 就労ビザとは米国内で米国の会社から報酬を得て働くことを目的としたビザで、H1B以外で就労ビザに該当するのは、E、L、Oビザなどです。ただし、これらの就労ビザ以外にもI、J1、Pなど、米国内で働くことを可能にするビザがあります。H1B以外の各ビザについては、次回以降に詳しく説明します。



H1B以外の就労ビザを申請する場合、どのくらいの準備期間を見ておけばいいですか?

 ビザの種類やケースにより異なりますが、数カ月前から準備を始めた方がいいでしょう。特に、Oビザの申請書作成には時間がかかるので、6〜8カ月前から準備を始めることをお勧めします。



ビザの取得に半年も待てない場合は、どうしたらいいですか?

 早急にビザが必要な場合は、特急申請(申請料金1225ドル、通常の申請料金は460ドル)を選択することもできます。この場合、15日以内に移民局の審査を終了することができます。

〈おことわり〉
 当法律事務所は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。



SPECIALIST

ボアズ麗奈弁護士

東京都出身。ニューヨーク州弁護士。ニューヨーク大学経済学部、フォーダム・ロースクール卒業。2010年RBL Partners PLLCを設立。移民法をはじめ、会社設立、雇用法など、さまざまな法的サポートを提供している。

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