2017/11/10発行 ジャピオン941号掲載記事

スペシャリストに聞く

②ソーシャルセキュリティー

今月のテーマ:アメリカの年金

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。


リタイア後の生活設計の要となるのが「ソーシャルセキュリティー」。将来ソーシャルセキュリティーを受給するための条件、受給開始年齢や受給額の目安などの基礎知識を解説する。



「ソーシャルセキュリティー(Social Security/SS)」とはどのような制度ですか?

 ソーシャル・セキュリティーは、リタイアした60歳以上の人や障害のために働けなくなった人、配偶者や両親が死亡した家族などに支給される年金です。

 現在、1億6800万人が就労し、ソーシャルセキュリティー税を納めており、6000万人がソーシャルセキュリティーを受給しています。



ソーシャルセキュリティー加入の条件は?

 「ソーシャルセキュリティー・ナンバー(SSN)」を取得し、働いて所得を得てソーシャル・セキュリティー税を納めることにより、加入することができます。会社に勤務してW2を受け取っているか、個人事業主などで 1099を受け取っている場合は、ソーシャルセキュリティー税を納めることができます。ソーシャルセキュリティー税は、会社勤務の場合は純所得の6・2%、個人事業主の場合は12・4%です。

 一方、所得があっても、家賃収入、投資、離婚や別居後に元の配偶者から受け取る生活費などはソーシャルセキュリティー税の対象にはならないため、注意が必要です。



ソーシャルセキュリティー受給の条件は?

 ソーシャルセキュリティーを受給するための最低条件は、10年間働いて40クレジット得ることです。2017年の場合、年間1300ドル(インフレその他の要因により異なる)の収入があれば1クレジットを取得することができ、この4倍以上の収入があれば、年間で4クレジットまで取得することが可能です。これを10年間続けて40クレジット取得することが、ソーシャルセキュリティーを受給する最低条件です。

 ただし、継続して10年間である必要はなく、病気などで働けずソーシャルセキュリティー税を納められない期間があっても、トータルで10年間40クレジットを満たせれば受給資格は得られます。



受給開始年齢は何歳ですか?

 60歳になれば受給資格を得ることができます。ただし、フルリタイアメントの年齢は1937年生まれまでは65歳、それ以降は段階的に受給年齢が上がって行き、60年以降に生まれた人は67歳となります。



将来どのくらい受給できますか?

 人によって異なりますが、2016年の受給額の平均は月額1340ドル(夫婦の場合2210ドル)です。



どのような人にとって最もベネフィットがありますか?

 人によって条件が異なるので、一概に言うことはできません。



ソーシャルセキュリティー税を多く納めれば、将来より多く受給することができますか?

 ソーシャルセキュリティーの税額はその年の所得に応じて決まりますが、上限があります。

 2016年の場合、税額の上限は11万8500ドルで、これ以上はソーシャルセキュリティー税を納めることはできません。

 従って、将来ソーシャルセキュリティーの受給額が無制限に増えるわけではありません。

 ソーシャルセキュリティーを基本にIRAや401kなども併用して、リタイア後の生活設計をするといいでしょう。

〈おことわり〉
 当事務所は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。



SPECIALIST

ジェームズ・ナム会計士

韓国の大学で会計、税を専攻し、卒業後8年間、会計事務所で業務を経験。その後、来米し、CUNY、SUNYで会計を専攻。1987年から米国内会計事務所で会計業務を経験し、2000年4月、現会計事務所を開業。生命保険と退職プランを専門とする、ニューヨーク、ニュージャージー州公認免許を持つ保険プロデューサーでもある。

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