2017/11/03発行 ジャピオン940号掲載記事

スペシャリストに聞く

①年金の基礎知識

今月のテーマ:アメリカの年金

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。


リタイア後に充実した生活を送るコツは、自分のライフスタイルに合った年金プランを選び、時間を味方につけること。まず、米国で加入できる年金プランにはどのようなものがあるか、知ることから始めよう。



米国にはどのような年金制度がありますか?

 米国で唯一の公的年金に、1935年に創設された「The Old Age, SurvivorsandDisability Insurance Program(OASDI)」があります。これは通常、「ソーシャルセキュリティー(SocialSecurity/SS)」と呼ばれています。

 一方、個人が任意で始めることができる年金プランには、「個人退職口座(Individual Retirement Account /IRA)があります。IRAは個人事業主や、口座に入れるお金があれば、専業主婦でも始めることができます。

 勤務している会社がプログラムを提供している場合は企業年金「401k」、宗教、慈善団体、教育機関などに勤務している場合は「403b」に加入することができます。

 この他、小企業を対象とした「確定拠出年金(Defined-Contribution/Profit- Sharing)」もあります。



この他に、年金に代わるような金融商品はありますか。

 最近は、民間の保険会社が、死亡するまで年金を受け取ることができるさまざまな個人年金プラン「アニュイティー」を提供しています。また、「終身保険(WholeLifeInsurance)」は生命保険ですが、リタイア後の年金プランとしても利用することができます。



それぞれの加入方法について教えてください。

 ソーシャルセキュリティーは、米国で合法的に働く資格がある人がソーシャルセキュリティー番号(SSN)を取得し、W2または1099で10年以上米国にソーシャルセキュリティー税を納めれば、受給資格を得ることができます。ソーシャルセキュリティー税は、会社勤務の場合は純所得の6・2%、個人事業主の場合は12・4%です。(※ソーシャルセキュリティーの詳細については、本コラムの第2回目で詳しくご説明します)

 IRAの場合は、銀行や保険会社などでIRA用の口座を自分で開設します。

 401k、403bの場合は、勤務先が提供しているプログラムに申請すれば、会社が口座を開設してくれます。




年金プランを考える際のポイントは?

 ソーシャルセキュリティーには受け取れる金額に上限があるので、ソーシャル・セキュリティーだけでなく、IRAや401kも利用することをお勧めします。さらにリタイア後の生活を充実させたい場合は、終身保険などのアニュイティーをプラスしてもいいでしょう。

 IRAや401kは若いうちから始めることをお勧めします。例えば、401kのプログラムを提供している企業に就職し、IRAや401kに加入できる21歳になったらすぐに401kを始めて、毎週50ドルずつ、会社からのマッチングで合計100ドル、年間で約5000ドルを貯めていけば、60歳までに受給額はおよそ60万ドル(ただし条件により異なる)になります。




年金プランを開始するに当たり、注意すべきことは何ですか。

 リタイア年金プランは、その内容をよく理解し、自分の経済状況などに合ったプランを選ぶことが最も重要です。

 またいずれのプランでも、60歳になる前にお金を引き出す場合は、10%のペナルティーが発生します。

〈おことわり〉
 当事務所は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。



SPECIALIST

ジェームズ・ナム会計士

韓国の大学で会計、税を専攻し、卒業後8年間、会計事務所で業務を経験。その後、来米し、CUNY、SUNYで会計を専攻。1987年から米国内会計事務所で会計業務を経験し、2000年4月、現会計事務所を開業。生命保険と退職プランを専門とする、ニューヨーク、ニュージャージー州公認免許を持つ保険プロデューサーでもある。

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