2017/10/20発行 ジャピオン938号掲載記事

スペシャリストに聞く

③申請手続きと面接

今月のテーマ:永住権

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。


「抽選永住権プログラム(DV–2019)」の応募は、国務省のウェブサイト(www.dvlottery.state.gov)で11月7日(火)正午(東部時間)まで登録できる。当選した場合に備えて、具体的な申請手続きを知っておこう。



2種類の申請手続きがあるそうですが?

 抽選永住権プログラムで当選後の永住権申請手続きには、「大使館申請(ConsularProcessing)」と「ステータス変更(Adjustment of Status)」という二つの方法があります。一般的には、既にアメリカに滞在しながら応募した人は「ステータス変更」で、米国外に住みながら応募した人は、「大使館申請」という区別になります。二つの違いは以下をご参照ください。

■ステータス変更

 労働ビザや学生ビザなどの非移民ビザから、永住権に変更する手続きのことです。合法的なビザステータスで米国に居住する日本人が対象です。この手続きの場合、永住権申請のフォームは「I–485」(ウェブサイトからダウンロード可能)。その他の必要書類(先週号=連載第2回=参照)と一緒に、米国内の国土安全保障省(Departmentof Homeland Security)に送付します。面接は、移民帰化局から本人が居住する地域の最寄りの会場が通知されるので、そこで行われます。

■大使館申請

 日本を含め、米国外在住の日本人を対象にした申請手続きです。この手続きの永住権申請のフォームは「DS–260」(ウェブサイトからダウンロード可能)。その他の必要書類と一緒に、東京の米国大使館に送付します。面接も、米国大使館で行われます。



米国在住者が大使館申請をすることは可能ですか?

 可能です。合法的なビザステータスでアメリカに居住する場合は、どちらを選択するかは本人の自由です。

 しかし、現在米国内に違法滞在している人が当選した場合はこの限りではありません。通常の場合、米国内での「ステータス変更」ができないからといって、日本で手続きをする「大使館申請」にすればいいかというと、そうではありません。現在または過去に、短期間でも違法滞在したことがある人は、通常、当選しても申請段階で無効になります。



永住権申請には申請料がかかりますか?

 申請料は発生します。2019年に永住権が給付される今回のプログラムについて、今の段階で明確な金額は分かりません。ただ、これまでの金額から察するに、「ステータス変更」で大体一人1000ドル強、大使館申請の場合は少し安価で500ドル強でしょうか。これは、申請段階で各自確認してください。




健康診断、面接、永住権取得までの経緯を教えてください。

 提出書類に不備がなければ、「ステータス変更」なら移民帰化局から、「大使館申請」なら在日本米国大使館から、面接の少し前に健康診断の指示が届きます。面接前に結核の検査や、各種予防接種を終えなければなりません。そして面接を終えると、パスポートに有効期限付きの「移民ビザ」のスタンプが押されます。

 「ステータス変更」の場合はすでに米国内にいるので、そのまま永住権が送付されてくるのを待ちますが、「大使館申請」の場合は、パスポートに押されたスタンプの有効期限が切れる前(通常は健康診断書の日付から6カ月以内)に米国内に入国し、その後米国内の住所に永住権が送付されてくるのを待ちます。パスポートに押された「移民ビザ」スタンプの有効期限以降は、ビザは無効となります。




英語に自信がない場合、面接で通訳を同席させられますか?

 東京の米国大使館では日本語で面接が受けられます。米国での面接の場合、面接会場によって対応が異なるので、事前に面接会場に問合せ、必要に応じて通訳を手配してもらってください。

 英語の堪能な友人に同行してもらっても、面接会場によっては同席が認められないことがあります。弁護士が同席したとしても、面接官は弁護士による代弁を嫌うものです。ベストは、本人が直接面接官と話すことです。通訳の助けを借りながらでもいいので、自分で話す姿勢を見せると心象もいいのではないでしょうか。

〈おことわり〉
 当弁護士事務所は、記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は、国務省のウェブサイト(www.dvlottery.state.gov)で各自確認してください。



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エディット・ステルツナーさん

弁護士。ハンガリーの首都ブダペストのELTE大学、ニューヨーク市のフォーダム大学法科大卒業。在ニューヨーク米国ハンガリー商工会議所国際委員会委員。米国への労働・移住ビザの他、米国での起業関連の法律を専門とする。

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