2014/10/24発行 ジャピオン785号掲載記事

スペシャリストに聞く

④ 永住の意志

今月のテーマ:永住権抽選プログラム

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。


せっかく永住権を取得できても、移民帰化局に、米国に永住する意志がないと見なされると、永住権を剥奪される可能性があります。どのような場合に、「永住の意志がない」と見なされるのか聞きました。

 

条件付き永住権とは何ですか。また、条件付き永住権の注意点を教えてください。

結婚によって永住権を取得する場合、結婚期間が2年以下の人には有効期限が2年間という条件付きの永住権が発給されます。

 有効期限が切れる90日前から有効期限までの間にこの条件を取り除く手続きを行えば、延長することができます。

 この手続きを行わないと永住権は自動的に失効するので、延長したい人は忘れずに90日以内に手続きを行ってください。

永住権を剥奪されるのはどのようなケースですか?

国外退去の対象になるような犯罪(殺人、レイプ、幼児虐待、ドメスティックバイオレンス、薬物犯罪、窃盗、詐欺など)で有罪になった場合は、国外に出て米国に再入国しようとする際に、入国を拒否されたり、永住権を剥奪されたりします。犯罪によっては、一度国外退去になると、数年間、もしくは永久的に米国への入国が拒否される場合もあります。

 また、逮捕歴がある人は、有罪になっていない場合でも、永住権を申請する際に移民帰化局にそのことを知らせなければなりません。

犯罪以外の理由で永住権を剥奪されるケースもありますか?

永住権を保持するために重要なことは、「米国に住む意志がある」ということです。移民帰化局に永住の意志がないと判断されると、永住権を剥奪される場合があります。頻繁に海外に出て米国内での滞在期間が短い場合などは、永住の意志がないと判断される可能性が高くなるでしょう。

 米国内に仕事がある、家族が住んでいる、持ち家を持っている、アパートを借りている、銀行口座を持っている、税金を申告している、などといったことが重要です。アパート、銀行口座、クレジットカードなどを解約すると、米国に住む意志が希薄だと判断され、「再入国許可証(Re-entry permit)」を持っていても永住権を失う可能性が高くなります。

米国外に長期滞在しなければならなくなった場合は、どうしたらいいですか?

「180日ルール」と呼ばれるルールがあります。年間180日は米国内に滞在することが、移民帰化局が米国に住む意志があると判断する基準となっています。年間180日以上米国に滞在できない理由がある場合は、再入国許可証の申請を行えば、再入国が可能になります。

 ただし、あまり何度も再入国許可の申請を行うと、米国に永住する意志があるかどうかという点が問題になるため、再入国許可証の更新が難しくなったり、永住権が剥奪される可能性も出てくるので、注意してください。

「永住権抽選プログラム」以外で永住権を取得する方法は?

米国市民や永住権保持者との結婚などで親族がスポンサーになるか、雇用主がスポンサーになり、H―1ビザやOビザから永住権申請を行うのが一般的ですが、投資を通じて申請したり、難民・亡命者として申請する方法もあります。
 また、Uビザ(犯罪犠牲者ビザ)からでも永住権を申請することができます。Uビザは犯罪被害に遭った人が、被害者として警察に情報提供を行うなど、捜査や犯人逮捕に協力すると申請資格が与えられるビザで、取得後3年で永住権を申請することができるようになります。
〈おことわり〉
 当弁護士事務所は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にお尋ねください。
0

ボアズ麗奈弁護士

東京都出身。ニューヨーク州弁護士。ニューヨーク大学経済学部、フォーダム・ロースクール卒業。2010年ReinaBoaz Law,PLLCを設立。移民法を専門とし、会社設立、雇用法など、様々な法的サポートを提供している。

Reina Boaz Law, PLLC

TEL
212-960-3953
MAIL
info@reinaboazlaw.com
WEB
http://www.reinaboazlaw.com
MAP
225 Broadway, Suite 3005 (bet. Barclay & Vesey Sts.)

バックナンバー

NYジャピオン 1分動画