2017/04/28発行 ジャピオン913号掲載記事

スペシャリストに聞く

④注目エリアの最新情報

今月のテーマ:不動産購入

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。


近年、ニューヨーク市内で特に注目されているハーレム、ロングアイランドシティー、アストリアなどの物件の最新情報について解説してもらった。また、一戸建て購入の際の注意点も聞いた。



近年注目されているエリアについて教えてください。

 近年、ニューヨークでは住居用の新築ビルが建設されるなどして、開発が進んでいるエリアがいくつかあります。

 マンハッタンでは、過去10〜15年ほどでハーレムに住居用のビルが増えました。ウェストハーレム及びセントラルハーレムではコンドミニアム、おしゃれなショップやレストラン、バーなどが増えています。

 こうした背景から、ハーレムの物件の価格がかなり上昇しましたが、イーストハーレムはまだまだ手頃な物件が見つかるエリアです。コンドミニアムの価格は1ベッドルームが60万ドル台、2ベッドルームは80万〜90万ドル台くらいからあり、今ならまだ100万ドル以下で2ベッドルームの物件を探すことも可能です。

 ハーレムには収入など一定の条件を満たせば格安で購入できる低中所得者のための物件が比較的多く、これはこのエリアの特徴と言えるでしょう。

 ブルックリンの物件価格が高くなり過ぎたことも影響し、最近はクイーンズの人気が高まっています。中でも近年開発が進み、人気が高いのがロングアイランドシティーとアストリアです。

 ロングアイランドシティーは2006年以降開発が進んで、かつて商業用地だった場所に新しいコンドミニアムが続々と建ち並び、今ではすっかり閑静な住宅地に変貌しています。価格は物件の大きさや条件によって異なりますが、スタジオが60万ドル台、1ベッドルームが75万ドル〜100万ドル、2ベッドルームが120万ドルくらいからと考えると目安になるでしょう。

 病院、子供の遊び場、スーパーマーケット、レストラン、ショップなどがどんどんオープンし、特にウオーターフロントには公園やドッグランなども整備されて、子育て中の家族や犬を飼っている人にとって住みやすい環境が整っています。

 アストリアはここ10年の間に、イーストリバーに並行して伸びる21ストリートの西側や31アベニュー、ブロードウェー沿いにもコンドミニアムやレンタル用の物件が多く建設されています。現在、マンハッタンとアストリアを結ぶフェリーの発着所の建設が進められており、ブルックリンからクイーンズにかけてのイーストリバー沿いにストリートカー路線が建設される計画も発表されるなど、このエリアは今後さらなる発展が期待されます。

 一方、環境が良く住みやすい割に、物件の値上がり率が比較的低いのはフォレストヒルズです。私の考えでは、コープと一戸建てが多いエリアで、個人的な売買が多く物件が市場に出てこないことや、不動産税が高いことからか、物件価格の上昇がそれほど大きくありません。



一戸建て住宅の市場について教えてください。

 マンハッタンでは一戸建ては非常に数が少なく高価格ですが、ブルックリンなら200〜300万ドルでファミリー仕様の一戸建て住宅の購入が可能です。クイーンズには比較的一戸建て住宅が多いですが、近年はあまり状態の良くない物件でも高い値が付いています。

 一戸建てを購入する場合はコンドミニアムやコープのような面倒な手続きやルールがなく、ローンさえ組めれば購入できるのは利点と言えます。ただし、古くなった物件や修理が必要なコンディションの悪い物件、ハウジングコードを満たさないような改造が施されている物件もあるので、経験豊富なインスペクターを雇って入念なインスペクションを行うことが大切です。

〈おことわり〉
 当社は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。


specialist

池上奈津子さん

ニューヨーク州公認不動産ブローカー。ウィスコンシン大学卒業、ロヨラ大学シカゴ校でMBA取得。銀行、金融機関勤務を経て、2008年より不動産エージェントとしてマンハッタン、ブルックリン、クイーンズの物件を扱う。

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