2016/10/28発行 ジャピオン888号掲載記事

スペシャリストに聞く

④永住権取得後の注意

今月のテーマ:永住権

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

永住権抽選プログラム以外で永住権を取得する方法や、「条件付き永住権」、「再入国許可証」について聞いた。永住権は米国に永住する意志がなくなったと見なされると、剥奪される可能性がある。


永住権抽選プログラムに申し込む以外で永住権を取得する方法は?

 日本人に限れば、最も一般的なのは市民権や永住権を保持している家族か雇用主にスポンサーになってもらって申請する方法です。米国内で生まれた子供がいる場合は、その子供が21歳以上になればその子供にスポンサーになってもらって永住権を取得することができます。

 また、投資を通じて永住権を申請することもできます。日本人には該当しませんが、難民・亡命者として申請する方法もあります。


「条件付き永住権」とは何ですか?

 「条件付き永住権(conditional permnent residence)」は、結婚期間が2年以下の人に対して発給される永住権で、偽装結婚による永住権取得を防ぐ目的で作られました。この条件を外すためには、その期限が切れる90日前から期限日までの間に条件解除申請(removal condition)を行う必要があります。永住権を申請する時点ですでに結婚してから2年以上経過している場合は、通常の永住権が発給されます。


延長手続きを忘れるとどうなりますか?

 有効期限内に手続きを行わなかった場合は、最初から申請手続きをやり直さなければなりません。ただし、正当な理由(病気で入院中だったなど)がある場合は、延長手続きを行うことができます。


有効期限が切れる前に離婚すると、ステータスはどうなりますか?

 2年間の条件付き期間中に離婚したり一緒に住まなくなったりした場合は、条件解除申請手続きを行わなければなりません。永住権は有効期限が過ぎれば自動的に失効します。

 その場合、移民帰化局に対して、その2年間の婚姻関係が偽装ではなかったことを承継することができれば、有効期限のない永住権を取得することが可能です。ただし、よい結婚生活であったことを証明するのは非常に難しい場合もあります。



犯罪以外の理由で永住権を剥奪されるケースはありますか?

 永住権を取得しても、なんらかの理由で帰国してそのまま米国外に滞在し続けたり、米国に帰ってきても滞在期間が一定期間より短い、ということを続けていると、入国の際に移民帰化局に米国に滞在する意志がないと判断されて、永住権を剥奪される場合があります。

 また、市民権を申請して過去の記録を調べられたときなどに、永住権姿勢の際に虚偽の申告を行っていたと判断された場合も、永住権を剥奪される可能性があります。


永住権を保持するために気をつけることは?

 永住権を保持するには、少なくとも6カ月以内に1度は米国に戻ってくることが望ましいです。それ以上滞在期間が長くなると入国の際のチェックが厳しくなり、さらに何年もこのような状態が続くと、永住権を剥奪される可能性が高くなります。


米国外に長期滞在しなくてはならない場合でも、永住権を保持することはできますか。

 米国外に長期間滞在することが前もって分かっている場合は、「再入国許可証(re-entry permit)」を取得しておくことをお勧めします。その場合でも、6カ月以内に1度は米国に戻ってくることが望ましいです。再入国許可証を取得していても、このような状態が長期間続くと永住権を剥奪される可能性は高くなります。

〈おことわり〉
 当弁護士事務所は、記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。


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リチャード・A・ニューマン弁護士

ニューヨーク州公認弁護士。30年以上の弁護士経験を持ち、1990年の事務所開設以来、米国移民および市民権法などの法律手続きに携わる。特に労働ビザ、領事事務、永住権、PERM、laborcertifi- cations、労働許可証の取得などの経験が豊富。

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