2016/10/21発行 ジャピオン887号掲載記事

スペシャリストに聞く

③申請手続き

今月のテーマ:永住権

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

永住権抽選プログラムに当選しても、期限内に申請手続きを完了できないと永住権を発給してもらえないので十分に注意しよう。英語での面接に自信がない場合は、通訳を手配してもらうことも可能だ。


永住権申請手続きについて教えてください。

 永住権申請手続きには、「ステータス変更(adjustment of status)」と「大使館申請(Consular Processing)」の二つの申請方法があります。必要書類、申請場所など詳細は次の通りです。

■ステータス変更

 非移民ビザから永住権に変更する手続きです。永住権申請手続きを行う時点で、合法的なビザステータスで米国に居住している人が対象です。

 申請フォームI−485(ウェブサイトからダウンロード可能)に必要事項を記入し、前回説明した必要書類を一緒に米国内の帰化移民局(USCIS)に送付して、申請手続きを申し込みます。

■大使館申請

 日本国内の米国大使館で実施される申請方法で、それまでのステータスに関係なく永住権申請することができます。米国外に滞在している場合は、この方法で行います。申請フォームはDS−260を使用します。


米国居住者でも「大使館申請」を選択することができますか。

 米国居住者でも、合法的なビザステータスを持っている場合はビザの種類に関係なく、大使館申請を選択することができます。

 自分に申請資格があるかどうか、また、どちらの方法で申し込んだらいいか判断するためにも、弁護士に相談されることをお勧めします。


面接はどこで実施されますか。

 ステータス変更の場合は、移民帰化局から居住している住所の最寄りの面接場所を知らせる通知が送られてきます。

 通常、各地域の移民帰化局のディストリクトオフィスで面接が行われます。大使館申請を申し込んだ場合は、東京の米国大使館で面接が行われます。


英語に自信がない場合、通訳に同席してもらうことはできますか。

 日本国内の米国大使館で面接を受ける場合は、その必要はないでしょう。

 ステータス変更による申請で米国内で面接を受ける場合は、面接会場によって対応が異なるため、面接会場に英語の堪能な知人や通訳に同行してもらっても、面接に同席することが許可されるとは限りません。ただし、事前に面接会場に申し込めば、通訳を手配してもらうことができます。

 一方、申請に弁護士を雇用した場合、弁護士が面接に同席することは許されています。


永住権抽選プログラムに当選し、申請書類を提出したにもかかわらず、永住権を取得できないのはどのような場合ですか。

 プログラムに当選しても、そもそも永住権の条件を満たしていなかったり、有効なステータスを持たずに6カ月以上米国内に不法滞在していたりした場合は、永住権申請手続きを行っても取得することはできません。

 また、重罪の犯罪歴や国外追放歴がある場合は、それを理由に永住権が発給されない可能性が高くなります。

〈おことわり〉
 当弁護士事務所は、記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。


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リチャード・A・ニューマン弁護士

ニューヨーク州公認弁護士。30年以上の弁護士経験を持ち、1990年の事務所開設以来、米国移民および市民権法などの法律手続きに携わる。特に労働ビザ、領事事務、永住権、PERM、laborcertifi- cations、労働許可証の取得などの経験が豊富。

The Law Office of Richard Newman

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