2016/04/22発行 ジャピオン861号掲載記事

スペシャリストに聞く

④よくある相談:マイナンバー制度など

今月のテーマ:在ニューヨーク日本総領事館

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

最近、総領事館によく寄せられるのは、「マイナンバー(個人番号)制度」の導入に伴う問い合わせや、中南米地域を中心に発生している「ジカウイルス感染症」についての相談。そこで、これらの最新情報について聞いた。


「マイナンバー制度」の導入による、海外に住む邦人への影響は?

 今年1月から日本国内で住民登録を行っている全ての人にマイナンバーが付与され、社会保障、税、災害対策などの行政手続きの際にこの番号が必要になりました。海外に居住し、日本に住民票のない方には付与されませんが、帰国して住民登録を行うと付与されます。


日本国内と海外の銀行間で送金する際の問題は?

 日本国内の口座宛てに海外から送金する場合は、送金者と受領者が非居住者であることによりマイナンバーを持たない場合であっても、それだけを理由に、金融機関が送金や送金された金銭の払い出しを拒否することはありません。ただし、あらかじめ、海外居住者であることを金融機関に届け出ておく必要がありま す。

 日本国内の口座から海外に送金する場合は、金融機関によって対応が異なります。海外居住者が口座を開設・維持できるか、インターネットバンキングが利用できるかなどは、各金融機関にお問い合わせください。日本国内居住者が海外送金する場合は、原則としてマイナンバーが求められます。


「ジカウイルス感染症」とは?

 昨年5月以降、ブラジルをはじめとする中南米地域でジカウイルス感染症の発生が報告されています。この感染症はジカウイルスを持つネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることによって感染します。

 また、輸血や性交渉による感染リスクも指摘されています。ジカウイルス感染症が流行している地域から戻った男性で、特に妊娠中のパートナーがいる場合、症状の有無にかかわらず、コンドームを使用するなどの感染防止の対策が必要です。



「ジカウイルス感染症」の症状は?

 感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は2〜12日。約2割の人が2〜7日以内に発症するといわれています。発症すると、軽度の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、疲労感、倦怠感などの症状が現れますが、一般的にデング熱やチクングニア熱より軽症といわれています。

 注意すべきは、妊娠中のジカウイルス感染が胎児の小頭症などの原因であると指摘されている点です。4月13日、CDC(米疾病管理予防センター)は、小頭症やその他の重症な胎児の脳障害を引き起こす原因であると結論付けたと発表しました。特に妊娠中の方や妊娠を予定している方は、この感染症の流行国・地域への渡航は可能な限り控えてください。



ジカウイルス感染症の予防策は?

 ジカウイルス感染症には有効なワクチンがないため、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防法です。この感染症の発生地域に旅行を計画されている方は、次の点に十分注意し、感染予防に努めてください。

▽ 外出する際には肌の露出を少なくし、露出した部分や衣服に昆虫忌避剤(虫除けスプレーなど)を2〜3時間おきに塗布する

▽ 室内でも、電気蚊取り器、蚊取り線香、殺虫剤、蚊帳などを効果的に使用する

▽ 規則正しい生活と十分な睡眠、栄養を取ることで抵抗力をつける

▽ 前述したような症状が現れた場合は、ジカウイルス感染症を疑って、直ちに専門医の診断を受ける

  現時点では、米国内を感染源とした症例は報告されていませんが、ニューヨークでもこれからの季節、蚊の繁殖を防ぐよう心掛けることが大切です。タイヤ、バケツ、おもちゃ、ペットの餌皿など、水がたまるようなものを屋外に放置しないようにする必要があります。水たまりや植木鉢の水受けなど、ボウフラが繁殖しそうなところには砂を入れるなどの対策を講じるようにしましょう。


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石塚勇人さん

在ニューヨーク日本国総領事館領事部長。アテネ(ギリシャ)、ベルリン(ドイツ)、ニューデリー(インド)の各日本国大使館で領事班長を歴任。外務本省では主に開発途上国への開発協力業務に従事。2015年12月より現職。

在ニューヨーク日本国総領事館

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