2016/02/12発行 ジャピオン851号掲載記事

スペシャリストに聞く

②E、L、Iビザ

今月のテーマ:H1B以外の就労ビザ

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

今回は、H1BビザとOビザ以外の就労ビザについて。一般的に駐在員に発給されるEビザとLビザの違いは?また、Iビザ(ジャーナリストビザ)を取得するための条件について聞いた。


Eビザについて教えてください。

 H1Bビザ以外の就労ビザには、前回お話ししたOビザの他にEビザとLビザがあります。

 Eビザは上級管理職レベルの知識や経験を持つ人、米国での業務に不可欠な専門職に対して発給されるビザです。一般的には駐在員に発給されることが多いビザですが、一定の知識と経験があれば学歴や経験年数は問われず、駐在員でなくても取得することができます。H1Bビザが、学歴がなければ取得できないのに対し、Eビザは高卒や短大卒でも取得が可能です。

 ただし、申請者が日本人の場合は、スポンサーとなる企業が日本国籍(資本の50%以上が日本であること)の企業でなければなりません。
 Eビザの有効期限は5年ですが、条件を満たしている限り無制限に延長することができる点はメリットと言えるでしょう。


では、Lビザについて教えてください。

 Lビザも駐在員を対象としたビザです。 ビザ申請時より直近の3年間のうち、1年以上米国以外のグループ会社で働いていることが条件となるため、日本の企業で1年以上働いていた人が米国の子会社などに赴任する際に取得するのが一般的なケースです。従って、中途採用でその会社で1年未満の経験しかないような場合は、Lビザの申請条件に該当しません。


H1Bビザが取得できなかった場合、EビザとLビザでは、どちらを考慮すればいいですか。

 例えば、5年程度日本の会社で働いた経験があり、米国で学生としてOPTを取得して就職先を見つけ、H1Bビザを申請したが取得できなかったというケースを考えてみましょう。

 この場合、直近の3年のうち1年は米国外のグループ会社などで働いているという条件を満たすことができないため、Lビザを取得することはできません。一方、EビザにはLビザのような条件はなく、学歴がなくても必要な経験があればいいので、H1Bビザを取得することができなかった場合、Eビザを申請して取得できる可能性はあります。


では、Iビザについてご説明ください。

 米国の企業に雇用され、そこから報酬を受け取って働くためのビザが就労ビザの定義ですが、Iビザ(ジャーナリストビザ)は就労ビザではなく、米国内で報道活動を行うために取得するビザです。スポンサーは米国以外の報道機関などで、 米国の会社から報酬を受け取ることはできません。

 Iビザを取得できるのは、ジャーナリストとしての経験があり、米国内で報道活動を行う新聞・雑誌記者、報道カメラマン、ニュース番組制作スタッフなどです。重要なのは活動内容がジャーナリズムに該当することで、ニュース、ドキュメンタリー、スポーツなどの報道はジャーナリズムと見なされますが、娯楽番組などの制作はジャーナリズムとは見なされません。

 Iビザは移民局ではなく、日本の米国大使館に申請します。H1Bビザの申請には大使館に支払う申請料金190ドルに加え、米国移民局に支払う申請料が少なくとも1575ドル掛かりますが、Iビザは大使館に支払う申請料金160ドルのみで、申請費用が低い点はメリットといえます。

 娯楽番組などの制作のために米国に滞在する場合は、Pビザ、またはOビザの申請が考えられます。
 
〈おことわり〉
 当弁護士事務所は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門の弁護士にご相談ください。


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ボアズ麗奈弁護士

東京都出身。ニューヨーク州弁護士。ニューヨーク大学経済学部、フォーダム・ロースクール卒業。2010年RBL Partners PLLCを設立。移民法をはじめ、会社設立、雇用法など、様々な法的サポートを提供している。

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