2016/02/05発行 ジャピオン850号掲載記事

スペシャリストに聞く

①就労ビザの定義とOビザ

今月のテーマ:H1B以外の就労ビザ

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

今月はH1B以外の就労ビザがテーマ。1回目は就労ビザの定義とOビザについて聞いた。Oビザはアーティストビザと呼ばれることが多いが、実はさまざまな卓越した能力を持つ職種などを対象としている。


H1B以外の就労ビザにはどのような選択肢がありますか。

 就労ビザとは、米国内で米国の会社から報酬を得て就労することを目的としたビザで、H1B以外で就労ビザに該当するのはE、O、Lビザです。これらの就労ビザ以外にも米国内で働くことを可能にするビザがありますが、それについては次回以降でご説明します。


H1B以外の就労ビザを申請する場合、どのくらい前から準備を始めればいいですか。

 ビザの種類やケースにより異なりますが、申請の準備に数カ月はみておいた方がいいでしょう。特に、Oビザの申請書類作成には時間がかかります。半年前から準備を始めておけば安心だと思います。

 早急にビザを取得する必要がある場合は、特急申請(申請料金1250ドル、通常の申請料金は325ドル)を行えば、15日以内に移民局の審査を終えることができます。


Oビザとはどのようなビザですか。

 Oビザをアーティストのためのビザだと考えている人が多いようですが、実際にはアートの分野以外でも、ビジネス、スポーツ、エンジニアリングなど、さまざまな専門分野において、一定の条件を満たし、かつ高い実績と卓越した能力があると認められれば取得することが可能です。

 一定の条件とは、金融分野を例にとると、メディアに取り上げられたことがある、評価されている金融組織のメンバーである、その分野の著名人から推薦状をもらえる、他のビジネスマンより高い収入を得ているまたは高い収入を得る予定がある、などの八つの条件のうち三つを満たすことが必要です。  

 同様に、アーティストの場合は、よく知られている映画やミュージカルなどで主役またはそれに準じるような重要な役を演じた、その分野の専門家やジャーナリストからの推薦状をもらえる、などの六つの条件のうち三つを満たさなければなりません。

 さらに、その分野の労働団体の承認を取得する必要があり、そのための時間と費用(団体によって無料〜500ドルくらいまで)が掛かります。


Oビザを取得する人が多いのはどのような職種ですか。

 具体的には、ヘアスタイリスト、ネイルアーティスト、グラッフィクデザイナー、ダンサー、ミュージシャン、スポーツ選手、写真家などが多いです。


Oビザを申請するメリットとデメリットについて教えてください。

 他の就労ビザの場合は、スポンサーとなる企業に対して、会社の規模、従業員数、売り上げなどに一定の条件が付きますが、Oビザをスポンサーする企業にはそれほど厳しい条件はなく、申請者本人の実績があれば取得しやすい点はメリットといえます。また、条件さえ満たせば、基本的に何年でも更新し続けることができ、従って永住権を申請する必要がないかもしれません。

 一方、申請者の卓越した能力を証明するための資料集めや申請書類の作成に、膨大な時間と手間、費用が掛かる点はデメリットといえるでしょう。
 
〈おことわり〉
 当弁護士事務所は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門の弁護士にご相談ください。


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ボアズ麗奈弁護士

東京都出身。ニューヨーク州弁護士。ニューヨーク大学経済学部、フォーダム・ロースクール卒業。2010年RBL Partners PLLCを設立。移民法をはじめ、会社設立、雇用法など、様々な法的サポートを提供している。

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