2016/01/15発行 ジャピオン847号掲載記事

スペシャリストに聞く

③個人事業主とフリーランス

今月のテーマ:タックスリターン

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

今回は個人事業主やフリーランスのタックスリターンについて解説する。タックスファイリングに必要な書類、一般的に事業経費として認められる項目、申告する際に注意すべき点などについて聞いた。


個人事業主やフリーランスのタックスファイリングについて教えてください。

 個人事業主やフリーランスとして働いている人は、通常、「スケジュールC」のフォームでタックスファイリングを行い、所得税、15・3%のソーシャルセキュリティー税とメディケア税を納めます。ただし、損失が出た場合は所得税を納める必要はありません。

 「W2」(会社が発行する源泉徴収票)で確定申告を行う給与所得者の場合は手続きが比較的簡単ですが、個人事業主の場合は、事業運営にかかった経費の領収書を保管し、領収書のない交通費などは記録しておかなければなりません。

 個人事業主の場合は税務監査が入る可能性が高く、事業内容に対して経費がかかり過ぎていたり、事業で損失が出たりしている場合、それが事業なのか趣味でやっていることなのかを調べられることがあります。監査で事業ではなく趣味であると判断された場合は、その損失は事業所得から生じた損失とは見なされない可能性があります。


個人事業主やフリーランスの場合、控除の対象となるのはどのような項目ですか?

 個人事業主やフリーランスの場合は、控除ではなく、課税対象となる事業収入から事業経費を差し引いて事業所得を計算します。

 具体的には、広告宣伝費、交通費、通信費、外注費、オフィスの家賃・光熱費・共益費、備品代、コンピューターなどの減価償却費、修繕費、出張旅費、ライセンス費など、事業収入を得るために必要とされる支出が事業経費の対象となります。

 自宅をホームオフィスとして事業を行う場合は、家賃(または減価償却費)や光熱費、修繕費、保険料などを使用面積や時間などで按分したものが事業経費として認められます。


事業に必要な経費でも、控除が認められないのはどのような場合ですか。

 個人事業主の場合の控除対象となる項目は前記の通りですが、具体的な控除項目の詳細は事業内容や個々のケースによって異なります。

 常識的に考えて必要経費として認められる可能性の少ない支出の場合でも、事業に必要であるとIRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)を説得できれば、必要経費として認められる場合もあります。ただし、認められる可能性と、そのために費やす時間やコストをよく考えて申請した方がいいでしょう。


個人事業主の場合は、W2の代わりにどのような書類が必要ですか?

 主な書類は、個人事業主や契約社員、契約で働く外部スタッフ(IndependentContractor)には、年間600ドル以上の報酬を受けた各支払い元から送られてくる「1099―MISC」です。


1099―MISCが送られて来ない場合は?

 報酬の支払いが年間600ドル未満の場合は、1099―MISCは送られて来ません。また、現金で報酬を得た場合は申告のための書類はありません。ですが、事業利益や経費が大きい場合はIRSの監査が入る可能性が高く、確定申告で記載した収入よりも銀行残高が多い場合は、その理由を求められます。

 タックス・ファイリングに必要な書類が1月末になっても届かない場合は、書類の発行元に問い合わせて送ってもらってください。

〈おことわり〉
 記事内容に関して当会計士事務所は一切の責任を負いかねます。詳細は各会計士にご相談ください。


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エドワード原公認会計士

ニューヨーク大学卒業後、ニューヨーク州公認会計士となる。1994年に、原公認会計事務所を引き継ぎ、個人・企業の会計・税務で35年以上の経験を持つ。米国公認会計士協会会員。

CPA Office of George Y. Hara, Inc.

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