2015/12/18発行 ジャピオン844号掲載記事

スペシャリストに聞く

③離婚後の親権

今月のテーマ:離婚

文化、習慣、法律も違う海外で暮らす上で頼りになるのはスペシャリスト。日常生活を送る上で必要となる、また気になるテーマについて、さまざまなジャンルのスペシャリストたちに話を聞く。

今回は離婚後の「親権(custody)」について聞いた。親権とは何か、またそれに関連して両親に対する義務、権利について、また養育費などの支払いなどは、どのように決められるのか解説してもらった。


「親権(custody)」とは何ですか?

 法的な意味での親権とは、保護者としての保護・監督・養育の義務、および権利のことで、一般的には、子供と同じ家で一緒に暮らすことを意味します。

 ただし、離婚後、子供と一緒に住まない親にも「liberalvisitation(子供と会う権利)」が認められており、教育のことなど子供に関するさまざまな判断をする際に、それに加わる権利もあります。子供と一緒に住む親は、それを拒否することはできません。

 このように、離婚しても子供に対して両親が同等の権利と義務を持つことを「joint custody(離婚後共同親権)」と言います。

 ただし、一方の親が犯罪に関与していたり、アルコール依存症や家庭内暴力などの問題があり、子供に悪影響があると思われる場合は、その親には親権は認められません。このような場合は、一方の親だけに親権が認められる、「sole custody」となります。


「子供と会う権利」では、どの程度の頻度で子供に会うことが認められていますか?

 いつでも会うことができますが、どのような頻度でいつ会うかなどについて法律で規定されているわけではありません。

 通常、それぞれの状況下で公平性という観点から、週末や平日の夜などとスケジュールを決めて「子供と会う権利」を実行します。


では、離婚後の親権については、どのように決められますか?

 離婚後も両親に親権が認められますが、どちらが子供と一緒に暮らすかなど話し合いで決まらない場合は、裁判で争うことになります。

 精神科医に会うなどの審査を受けたり、法的なさまざまなプロセスを経た上で、最終的に裁判官が判断します。ケースごとに、異なるさまざまな条件が関係してくるため、通常、親権を巡る裁判には長い時間を要します。


離婚後の子供の養育費や教育費は誰が負担し、どのように決められますか?

 養育費の最低額は親の収入などにより算定され、決定されます。

 子供の養育費を誰がいくら払うかについては、子供の両親が話し合って決めますが、通常は両親、もしくは収入がある親が支払います。


「養育費の支払いは、子供が何歳になるまで義務付けられていますか?

 子供が成人する21歳まで、もしくは大学卒業まで養育費を支払うのが一般的ですが、状況によって異なります。


離婚の手続きが全て終了したら、帰国しても不都合はありませんか?

 離婚をファイルし終わったら米国外に出てもかまいません。記載ミスやサインの漏れなどが見つかった場合でも、Eメールや郵便などで連絡がつく場合は問題ありません。

 ただし、「uncontested divorce(離婚することやその条件に関しすべて同意していること)」の場合は問題ありませんが、裁判で争うことになった場合は、米国に滞在していないと裁判で不利になります。

〈おことわり〉
 当弁護士事務所は記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は各専門の弁護士にご相談ください。


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スティーブン・W・エプステイン弁護士

ブランディーズ大学、ニューヨーク・ロー・スクール卒。弁護士組合員として幅広い分野の訴訟を担当した後、2004年独立し、Steven W. Epstein & Associatesを設立。ニューヨーク市行政裁判所の非常勤裁判官も勤める。

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